阪神大震災メモ #52014/03/31 20:32


「英会話教師、海部と会う」 in 「2人の米国人ボランティアが見
た日本と日本人の現実」

(『日経ビジネス 1995年2月6日号)



「『日本は特別法を持ち、非常時には規則や慣行に縛られては
ならないと銘記すべきだ』。
1人の米国人がそう訴え、元首相の海部俊樹らを説いて回って
いる。」

ダニー・ジョンソンはロサンゼルス在住の弟アーサーに電話をし、
ロス地震の経験を持つ8人の医師、13人の看護婦と1人のX線技
士一行が、1月22日夜に神戸入りした。ダニーが彼らとともに翌
朝7時に神戸市役所へ行き、夜10時に宿舎にあてがわれた巡視
船に戻った時、全員が怒りに紅潮していた。


「市役所で全員が数時間待たされた揚げ句、やっと活動を始め
たとたん、今度は救護活動をする日本人医師から、『帰ってくれ』
と言われたのだ。」

「助けること以外に何らの意図を持たない米国からの無償奉仕
者を、無数の患者がそこにいる前で、行政と日本人医師たちが
何故か追い返そうとさえした。」


「ボランティアはもっと活躍できた」

(佐々淳行、『PRESIDENT』1995.3)


「アメリケアズ(慈善団体)は三人の医師を連れてきていた。そ
れ以前に神戸市内には、はるばる海を越えて八人のアメリカ
人医師が入り、診療しようとしていたのだが、実際の仕事は見
習い看護婦がやるような医療器具を洗う仕事しかさせてもらえ
ない。医療行為を行うと、医師法違反に問われるというのだ。
・・・薬を使うと薬事法違反になるので、・・・」

「24日、私の家内は通訳として彼らと行動を共にした。しかし神
戸市役所は『医者も薬も足りている』と言う。あるキリスト教系の
病院に行ってみたら、足りているどころの騒ぎではない。医療現
場は大混乱で、「子供用の薬が足りない」と言って看護婦はなき
そうになっていた。」

「アメリケアズがアメリカから輸送した医薬品は、こうした災害時
に必要なニーズをぴったり満たしていたため、病院では大歓迎
されたのである。」

「現場では救援が求められているにもかかわらず、国内からも
海外からも差し伸べられる援助の手は、行政によって撥ね除け
られている。海外からの援助を次々と断った日本政府の不可解
な態度は、外交的なマイナスともなりかねない。・・・神戸市の現
場で世界中から来るボランティアの申し出を「受ける受けない」の
判断を下していたのは、市の外郭団体である国際交流協力セン
ターの人であり、彼は見るだに気の毒なほど疲労困憊していた。
彼の判断は来た道と逆のルートを遡り、外国に伝えられる際には
外務省の判断として伝えられるのである。」

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