阪神大震災メモ #82014/04/02 20:43


「揺れ、液状化から建物をどう守るか」

(『日経ビジネス 1995年2月20日号』)



「石油タンクでも既設物の液状化対策は頭の痛い問題だ。幸い、
油の大規模流出や火災発生こそなかったが、阪神大震災でも、
50基以上が傾くなどの被害が出た。」

「既設(78年以前)については、昨年(94年)7月の政令で、今年
1月から対策が義務づけられたばかりだ。1年間で調査し、20年
程度で改善するという。」

「横浜から千葉に広がる京浜、京葉の臨海工業地帯。この地域
は液状化しやすい地域の1つだが、コンビナートにひしめくタンク
の8割以上は旧基準のままだ。1000キロリットル以上の大型タン
クだけでも、無防備タンクは1000基を上回る。」

「大成建設が、東燃・川崎製油所に施したのは、タンクの周囲に
止水壁(地下16m)を埋め、地下水の流入を制限したうえで、揚
水ポンプを使って水をくみ上げ、内側の地下水位を下げるという
工法だ。当然、地盤沈下が起きるため、タンクが水平に沈むよう
な水抜きが必要となる。工事費用は巨額だ。東燃の場合、40億
円をつぎ込んだ。しかも、ポンプの運転や維持管理などのランニ
ングコストがこれに加わる。・・・」

「(20年という猶予期限を設けても)地震は待ってくれない。流出
した石油類に引火した場合、連鎖的にコンビナート全体が火に
包まれる恐れもある。阪神大震災では、消防は同時多発火災に
無力だった。」


ここに述べられている液状化危険地域に住んでいる私自身、「液
状化」をまったく忘れていた。これは私だけではない。3.11発災後、
避難所に集まってきた住民を、別の避難所に避難誘導する羽目
に陥ったのだから、行政ならびに住民の念頭になかったことは事
実である。さらに、避難所に指定されていた建物が実際に避難所
として機能するのかを再検討要請した時にも、この泥のなかに孤
島と化した中学校はノー・チェックであった。また、私が関与した
避難所は、液状化によりライフラインが全滅した住民が押し寄せ
て来たために事後承諾で開設されたのであった。そこにある危機
の存在感は、かくの如く薄いのであろう。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://shoyuclub.asablo.jp/blog/2014/04/02/7918273/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。