阪神大震災メモ #112014/04/11 17:59

「監察医は語る」(福永龍繁、『サンデー毎日 ’95.2.26』)



「(僕の視た範囲では)圧迫による遺体は、検案したうちの七割強
でしょうか。・・・さらに残りの一割から二割が頭の骨折とか、頚椎
が折れているだろうと推測されるもので、あとは焼けてしまった骨
です。(中略)
今回の場合はほとんどの犠牲者が就寝中で、寝間着でした。あま
り思い出したくないが、親子の遺体もたくさん運び込まれました。
子供が左に寝ていれば親は左を向き、川の字のように真ん中に子
供がいれば、両親はそれぞれ子供のほうへ向いていました。・・・
子供の遺体はきれいなのに、親は損傷のひどいのがかなりあった。
親が”その瞬間”に子供をかばったのでしょうね」

「検案した遺体の中に、救助が早ければ助かったといえるものが
あったかといえば、僕が見た限りでは、ありませんでした。家の倒
壊が非常に多かった地域のせいか、即死か非常に短時間で亡く
なっていた方が多かった。(中略)
一部の報道にあったように「生き埋めになったまま焼かれた」とい
う「むごい死」を予想させる遺体はなかったはずです。確かに、焼
かれて骨になった遺体はありましたが、そうした方も最初の一撃
で心臓が止まっており、そのあと焼かれたのではないかと推測さ
れるものが多かったですね。というのは、火事が近づいた時に生
きていれば、かなりの量の不完全燃焼ガスを吸う。その場合、臓
器は赤くなります。しかし、臓器が残っていた焼死体とみられる遺
体のほとんどがそうなっていなかった。」

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