『江戸から見た原発事故』#22014/10/16 12:53

>住民の生活を根こそぎにした破壊の凄まじさは、どちらも(原子爆
 弾も原子力発電も)同じだ。・・・杜撰な原発の管理がしだいに明ら
 かになると、太平洋戦争を遂行した指導部の無能ぶりが重なる。

 そもそもは地震が発生したことが、終わりの始まりだった。天災が
 起こり、人災に続いた。・・・巨大な波は易易と人智を超えた。・・・
 地震と津波の惨劇の後、原発事故のニュースが伝わってくる。全
 電源喪失という初歩的にして致命的なミスを起こして。

>広大な領域が一夜にして人の住めない土地になった。・・・
 避難途中に息を引き取る高齢者や病人も少なくない。計画してい
 た生活は途絶し、仕事を失い、生きがいもなくなった。・・・誰も
 ちゃんと書かないが、犯罪性の強い悪事に身を落とす者もいた。
 
 連帯感を表す「絆」という呪文が流行ったのは、その背後の闇を
 隠すためのものかもしれない。

 ・・・『福島原発と被曝労働』では、中世の煙突掃除と同じような作
 業が・・・それも大量の人が必要なのだ。福島第一原発では現在、
 一か月に3~5千人ほどが被曝しながら働いている。彼らの殆ど
 は下請けで、いびつな下請けの多重構造が慣習化され、それぞ
 れの段階でピンハネが行われる。
 問題なのは、このようなことが放置されていることだ。放射線被
 曝の恐怖と戦いながら働いている彼らの存在によって、かろうじ
 て再度の水素爆発が食い止められている。
  
 下請け労働者が仕事を放棄したときどうなるのだろう。
 原発の最先端で危険な労働を引き受けている人たちも、砲弾
 の飛び交う戦地を匍匐前進している兵士も、どちらも犠牲者な
 のである。
 加害者はもちろん日本神国不敗信仰をふりまいたり、原子力
 安全神話を言いつのってきた者たちだ。

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