『兵法家伝書』(柳生宗矩) #12018/01/25 06:15

如何ほど学問をし
文字多く知りても
道くらき人あり
道理にくらければ
道を我が物にすることならざる也

道理が明らかに進めば
胸に何もなく也
胸に何もなくなりたれば
萬の事がしよく成るもの也

此故に
萬の道を学ぶは
胸にある物を払ひ尽さむ為也
習を忘れ
心を捨て切って
一向に我も知らずして適ふ所が
道の至極也


(手利剣:太刀を握る手の「有無の拍子」)

凡夫
有を見て無を見ざる也
無も有と云ふ也
有と云ふ物即ち無也
無と云ふ物即ち有也
有無二つに非ず・・・


(病気の事)

勝たんと一筋に思ふも病也
何事も心の筋に留まりたるを病とする也
様々な病
皆心にあるなれば
此等の病を去って心を調ふる事也