Money Intelligence の身につけ方 #32018/02/23 17:20

from ibid. Chapter3

>最先端技術は、夢や国威といったバイアスで歪められること
  も多い

  リニア新幹線は採算が合うのか?
  リニアは基本的に従来の東海道新幹線と顧客を分け合うだけ
  であり、JR 東海は、様々な相乗効果を考慮に入れても、全社
  的な売上は10%程度しか増加しない、と予測している。
  開業時の利益は、現在の水準より大幅に減少すると予想され
  ている。
  2027年(名古屋開業) 6割減(=1740億円)
  2045年(大阪開業)   8割減(=780億円)

  しかし、リニア開業の波及効果は大きいという情報が一人歩
  きしているようです。

>伝説の経営者や投資家の真似事をしても、凡人には実利は
  ない

  バフェットの言う通りに投資しても儲からない。
  彼は基本的には堅実で立派な人というイメージで統一されて
  います。また、彼の投資手法や発言が引用される時は、多く
  の場合、リスクの高い利益追求型の投資は良くないという文
  脈で用いられています。彼が持つ「記号」は果たして真実なの
  でしょうか?

  彼は銘柄選定につぃては非常に保守的で堅実です。しかし、
  彼の投資スタイルは特別に堅実なわけではありません。
  安定的でリスクの少ない銘柄を選定していますが、その分、
  大きなレバレッジを効かせています。
  ハイリターンなのですから、ハイリスクを取っています。

>要人発言は、何に触れなかったかを深読みする必要がある

  バフェットは世界中の市場から目を皿のようにして有望企業
  を探している。けれども、何故か日本企業に一切投資をして
  いません。・・・例外があるとすれば、日本のメディアが日本
  への投資についてわざわざ質問したときだけです。
  語られなかったことに意味があるのだとすれば、日本は彼
  にとって評価に値しない市場だということになります。
  推測するしかないのですが、日本企業の長期的な成長性に
  疑問を持っているのかもしれません。

  もし、彼の情報が有用だと考えるのであれば、日本株には
  そうした障害が存在している可能性があるということを、
  我々は理解しておくべきです。
  もし、彼が日本企業に投資を決断した場合には、これまで
  彼が考えていた前提条件が変わったことを意味しますから、
  極めて大きな変化ということになります。

>検索エンジンは人々の見たいものものから順に表示する

>情報の編集者は、人々の関心に合わせ、情報の偏りを積極
  的に作ろうとする

  グノシーは情報の偏りをなくすのではなく、むしろ積極的に
  利用者の好みに合った情報(閲覧履歴などから)を提供する
  ・・・結局のところ、人々の願望によって情報が形づくられて行
  くという状況・・・
  ネイバーまとめなどの所謂まとめサイトは、一般参加型のキュ
  レーションの多くは、キュレーターとして参加した人に何らか
  の報酬が支払われますから、より多くのアクセスを集めるこ
  とに高いインセンティブが生じる。キュレーターの人は、自分
  の個性がでた「まとめ」よりも、多くの人の興味関心を引くよ
  うなまとめを作するようになる。

◎ 情報を扱う経路がどのように変化するにせよ、情報サービ
  スが人々に提供する機能は結局のところ同じ・・・最終的に
  は、情報の受け手がどのような意識でこうしたサービスを
  利用するのかにかかっている訳です。
  人の心理は複雑そうに見えて、意外と単純で・・・キュレー
  ターによるキュレーション・サイトにコメントを出している人
  を観察すると、幾つかのパターンに類型化することができ
  るので、しばらく観察を続けて行くと、どのようなニュース
  にどう反応するのか予測できるようになる。