機能性医学の基本的な考え方#32019/01/26 19:14

from ibid.

>腸の時代

 小腸は身体の入り口ですから、ここには免疫細胞や抗体が
 集まって外敵の侵入を防ぐ仕組みになっている。

 大腸で免疫を担うのは、腸内細菌で1000種類、600~1000
 兆個、重量1.5kgとも言われ、その99.9%は嫌気性菌・・・
 大腸壁には厚さ0.1mmほどの粘液層を作っており、腸内細
 菌はそこに空き地を隙間なく埋め尽くした草花のように共生
 している。腸内フローラを構成するのは善玉菌、悪玉菌、日
 和見菌である。

 善玉菌は20%を占め・・・乳酸菌がその代表で、糖質や食物
 繊維を分解して乳酸を作る。この他、酪酸などの短鎖脂肪酸
 やビタミンB群なども作る。悪玉菌の増殖を防ぎ、体内の炎症
 を調整する機能がある。
 日和見菌はおよそ70%を占め、その動向が腸内環境を左右
 している。

>腸内フローラの異常

 全身の臓器の中で、Th17細胞(炎症のシグナルを伝える)が
 常に存在するのは腸管の粘液層だけ(小腸に存在するある
 腸内細菌がTh17細胞を誘導しているため)で、この細菌は
 小腸で抗体の主力を担うIgA(免疫グロブリンA)の濃度を上
 昇させる。また別の腸内細菌は制御性T細胞の数を増加させ
 て、粘膜のバリア機能を高めている。

 疾患に繋がる腸内フローラの異常をdysbiosisと言う。
 免疫系を活性化する腸内細菌の増加
 &免疫系を抑制する腸内細菌の減少
 が起こると、消化管の免疫バランスが狂い、粘膜のバリアが
 破壊されて本来は応答しないものに反応して慢性的な炎症を
 もたらす。

>腸管正常化の5R
  Remove(不均衡の原因除去)
Replace(消化酵素の補充)
Repopulate(善玉菌の移植)
Restore / Repair(腸管の修復)
Rebalance

 Remove
 ストレス、薬剤、過剰な悪玉菌、他。
 過剰な悪玉菌の増殖を促しているのは、霜降り肉や加工食
 品中の飽和脂肪酸と砂糖。これを避けるには、それらを多く
 含む食品を避ける一方で、食物繊維やオリゴ糖といった善玉
 菌の餌を増やすこと。

 Replace
 過食を避け、よく噛(ひと口20回以上の咀嚼)んで、ゆっくり
 食べること。

 Repopulate
プロバイオティクスとプレバイオティクスとがある。
 
 Repair
 欠かせない栄養素は、蛋白質、ビタミン-A、-B群、-D、
 グルタミン、亜鉛。
 腸管に炎症が起きているケースでは、Ω3脂肪酸や植物由
 来の抗炎症化物質(ケルセチン、ヘスペリジン、クルクミン)
 を摂取する。

 Rebalance
 生活習慣全般を改善する。

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