機能性医学の考え方2018/01/01 13:56

  from 斎藤糧三『慢性病を根本から治す』(2015年発行)

※  機能性医学とは、氷山の大部分を占める慢性疾患の原因(海
    面上に現れているのが症状や検査結果)を探って、生活習慣
    の改善や栄養バランスの是正などにより、医師と患者が二人
    三脚で慢性疾患に立ち向かう。

Part 1 慢性疾患の隠れた原因

    心臓病、動脈硬化、便秘、精神的な悩み、頭痛、
    アトピー性皮膚炎、むくみと冷え、シミ

Part 2 7つの視点から捉える慢性疾患

    防衛と修復(免疫と炎症の仕組み)
    消化と吸収(腸の時代のポイント)
    解毒(肝臓を正しく働かせる)
    コミュニケーション(栄養素が気持ちを左右する)
    運搬(体内の循環システム)
    エネルギー(細胞内にある小さな発電所)
    組織構造安定性(筋肉や骨格が身体を支える9
    
Part 3 慢性疾患を改善する5つの習慣

    ケトジェニックダイエットとは?
    ストレスへの対処法
    運動が健康に与える影響
    睡眠と休息をどう取るか
    孤独は喫煙より身体に悪い

ストレスへの6つの対処法>

step 1:目先の状態や環境に囚われず、「自分がどうなりたいか」
をイメージする。家庭、仕事、気分、体調等々と細かく設定する。

step 2:置かれた現状を整理(主観的に評価する)してみる。

step 3:現状と目標を明らかにしたら、それまでのステップを細かく
把握する。一歩一歩目標に近づくために意識的に行動することが
価値や評価の変革をもたらし、ストレス対処の近道となる。

step 4:現状とはこれまでしてきた無数の選択の結果であるから、
それを否定せずに冷静にすべてを受け容れて認める。そのうえ
で現状に向き合う気持ちをポジティブに変換する。未来に対する
希望を持って、前向きに向き合うようにする

step5:フィジカルストレスを除去する

step 6:起こった出来事、起こっている出来事を、どう評価する
かという認知は変えられる。この認知のコントールが、メンタル・
ストレスマネジメントでのKey となる。
・「自分がどうなりたいのか」を常にイメージする。選択に悩んだ
り、ストレスを感じたら、其処へ立ち戻り、評価選択の確固たる
拠り所とする。
・自分への「入力」が過去の記憶に基づいて、「快/不快」に区別
されていると自覚し、「揺るがない評価」を元にネガティブな情動
を持続させないように対処する。また、記憶に残らないようにする。
否認(大した事ではない)、離脱(問題ない、次へ行こう)、変更
(かえって良かったかもしれない)など、目標イメージと照らし合わ
せながら、認知の変更をv行う。
・変更の際、「忘れよう」とか「考えないようにしよう」などと、意識
し過ぎないこと。
・認知のコントロールを継続すると、呼び出されるネガティブな
情動を伴った記憶の蓄積が減少し、ストレス反応が減速して
行く。
・目標イメージを持って、常にそれに即した認知判断を積み重ね
ると、ストレス対処が効率的に達成される。結果、自己実現に
結びつく。

循環生理学者が伝えたいこと2018/01/02 15:44

  from 西田育広『125歳まで生きる方法』

老化と寿命(125歳)>

細胞が年々老化していく:

老化要因の中で最も影響が大きのは「活性酸素」です。
活性酸素に長年さらされている内に、次第に細胞が損
傷し老化していきます。また、遺伝子の中にも老化を促
す遺伝子があると考えられています。
あったものが失くなっていくだけでなく、反対に不要なも
のが蓄積していくことで、起こる老化もあります。
アルツハイマー型認知症(脳)、動脈硬化(血管)

活性酸素:

ミトコンドリアがエネルギーをつくる際に使う酸素を自ら
の細胞の中に取り込むことを行いました。酸素は容易に
活性酸素を産生します。活性酸素は核膜や遺伝子を損
傷させてしまう。また、核だけではなく、細胞を守っている
輸送蛋白質(※)や細胞膜までも障害してしまう。
このため、活性酸素の産出量が多い生物ほど、その寿命
が短いのです。・・・酸素産生量は代謝率に比例しています。
代謝率が高いほど活性酸素が多く出て寿命は短くなる。

(※)輸送蛋白質は必要に応じて、細胞の入口を開けます。
例えば、KとNaを入れ換える蛋白質は、こういう条件でなら
入れる、と厳しく決まっています。この輸送蛋白質が故障す
ると細胞の中のNaとKを入れ換えられない状態になり、細
胞は生きていけなくなります。

損傷した細胞が複製されることで老化がすすむ:

年々、確実に死に近づく「死の法則」(ゴンペルツの法則):

年齢が8年増える毎に死亡率は2倍になっていく。
(例)90歳の人の死亡率は10歳の人の1000倍

細胞分裂の限界が生命の限界:

正常な細胞は約50回ほど分裂したところで死んでしまう。
例外として、神経細胞や心筋細胞のように分裂せずに生き
続ける細胞もありますが、・・・細胞や脳などの主要なところ
の細胞が死んでしまうと、本体もいけなくなります。

「テロメア」:

螺旋状に折り畳まれているDNAが解け棒状になった、その
先端にあるテロメアが、細胞分裂を繰り返すたびに短くなって
いくことが分かりました。完全に消滅すると、その後はもう
分裂ができなくなります。

細胞分裂のたびに短くなってしまうテロメアが必要なのは、
一個体の命に限りをつくってでも、生物としての進化を優先
したからです。

痩せているよりも太っている方が長生き?

体脂肪はそれほど悪者ではありません。一般的にBMI=22
くらいが標準とされていますが、生理学者からすると「25」
くらいが望ましい思います。
その理由は、BMIは鍛えた仏人兵士のデータを基に作成さ
れているからです。
加えて、脂肪が持つ力・・・生命維持に重要で、「命の予備力」
と言えるでしょう。
実際、BMI >25 の高齢者のほうが長命です。

その一方で、食べ過ぎが良くないことも分かっています。
どの生物も食事を削ると長生きします。
最大の理由は活性酸素です。食べたら食べた分だけ、消化
吸収するために酸素を使います。すると、1万分の1の確率
で活性酸素が発生してしまいます。(運動も同様)

運動と食事と寿命の関係では、適度な運動をして、食事を制
限(食べすぎないこと)したほうが寿命が長くなります。
生理学でアンチ・エイジングはありません。サクセスフル・エイ
ジングを目指しましょう。

人生の結末も一人2018/01/03 20:41


生きることも難しいが、死ぬことはなお難しい。生きるための努力は
報いられるが、死については人間の努力のかなわぬ部分のほうが
多いからだ。

私は・・・できることなら癌で死にたいと希望している。・・・

(主治医)「一親等のない人は(告知しても)動揺が少ないですね」
独り者の特権は、死を迎えて動揺が少ないことであろう。人生に対
する義理と執着が少ない。

死後の問題として気がかりなことといえば、わずかばかりの財産だ
けかもしれない。独り者にとって、財産とは生きているときの何より
の支えであり、死んだ瞬間から一切無意味になる妙な代物なので
ある。困るのは“その日”の見当がつかないことだ。わたしが癌で
死にたいと願うのは、”その日”についておよその予測がたつだろ
うと思うからだ。

こういう言い方は、癌で闘病中の方や肉親を亡くされた方に不遜
なひびきとして伝わるだろうと心痛むが、独りで人生の結末をつけ
ねばならぬ立場から、・・・あと三カ月と告知されたらそのように、
あと一年といわれたらそのように、私としては残された期間内に
できるだけの始末をつけて周囲に迷惑をかけたくないと思ってい
る。

(上坂冬子)

「生前整理」には覚悟がいる2018/01/04 08:35

  by 田中優子

生前整理を最初に行ったのは49歳の時だった。
首にできた腫れ物・・・大きな病院での精密検査を勧められた
・・・これがただの検査ではない。腫れ物を取り出して細胞検査
をしないと分からない・・・
そこで私は手術の前に、生前整理を行ったのである。大学から
借りている図書類は全て返却し、研究費を支給されている研究
途上の報告書は後を頼み、持ち物やデータは精査して断捨離
し、万が一の場合の仕事の連絡先一覧を作り、必要なデータに
アクセスする方法を告げ、そして遺言も書いた。

これらの作業をしている間に考えたのは、生き残る人が困らない
ように、という一点のみであった。
これをきっかけに、弁護士の友人に遺言を預けるようになり、
・・・書き換えが必要な状況なら、自筆で書いてともかく投函する
ようになった。生前整理が日常化されたのである。

次に生前整理が必要になったのは、62歳で総長(法政大学)に
就任した時だった。総長という職務は・・・身を呈して公共に尽く
す職務である。・・・健康でなくては健全な判断はできないが、
だからといって体調や気分や都合や快不快で行動を選んでは
ならない。自分のことは脇に置き、総長業務用の便益を必要最
小限とどめる。無理は当たり前。その結果急逝しても仕方がな
い。小さな例で言えば、総長室に入ったとき研究室に入ったとき
研究室を空けた。・・・空けるためには本や資料を処分しなけれ
ばならない。自宅にいられる時間も少ないので移しても意味が
ないが、移動時間がおおくなり、移動途中のインターネット環境
で使う必要がある。そこで、(本と資料は)「処分」「デジタル化」
「自宅据置」に分類し、研究の断捨離を始めた・・・これは一種の
生前整理である。

・・・急死したときに迷惑にならないよう、遺言を更新しエンディン
グノートも作った。・・・ひとりの人間が世の中から完全に消える
までには厄介な手続があるが、その手間を省いて邪魔しない
ようにしたいのだ。
書籍の生前整理が最も難しかったが、それは残りの生涯で何
を大切にするかを見つめる良い機会となった。・・・本当に必要
なことだけを行っていく・・・

『すべての疲労は脳が原因』(梶本修身著)2018/01/05 19:36

(目次より)

疲労の原因は脳にあり>

疲労とは生体アラームの一つ
運動疲労の正体は脳だった

「飽きた」は脳疲労の最初のサイン
同じ作業の繰り返しは脳の作業効率を下げる

最も疲れているのは自律神経

疲労が蓄積すると視野が狭くなる
眼精疲労の原因は自律神経にある

集中力を高めるのは危険な行為

脳の神経細胞は新生しないため疲労が蓄積しやすい

疾病としての疲労「慢性疲労症候群」は治療が必要

疲労の原因物質とは>

疲れの直接原因となるのは活性酸素である

サングラスで紫外線による疲労を最小限にとどめる

疲労回復因子FRが疲労因子FFを抑制する
FRは加齢で変化する

日常的な疲労の原因は「いびき」にあった>

睡眠中はFRの働きがFFをうわまわる
疲労回復の決め手は睡眠開始の3時間

睡眠の質を向上させるには生体リズムを整える

脳疲労を改善する食事成分>

疲労回復成分「イミダペプチド」
イミダペプチドの抗酸化作用が抗疲労効果をもたらす
イミダペプチドは鶏の胸肉100gで効果的に摂取できる

「クエン酸」にも疲労回復効果がある

ビタミンCとBCAAに疲労軽減作用があるというのは間違い

「ゆらぎ」のある生活で脳疲労を軽減する>

「ゆらぎ」で疲れにくい環境を作ることが出来る
「ゆらぎ」を意識してサーカディアン・リズムを整える
デスクワーク中に立ち上がるだけで疲労が軽減する

休日に1,2泊で温泉旅行は疲労のもと
理想の休日の過ごし方は犬や猫を見習う

『すべての疲労は脳が原因2<超実践編>』(ibid.)2018/01/06 20:04

(目次より)

疲労の正体は脳にあり>

「飽きる」「疲れる」「眠くなる」が脳疲労の3大サイン

疲労感なき疲労が過労死に導く
仕事の疲労は運動ではとれないし、むしろ危険

疲労を予防するコツ:食事編

朝食は自律神経のバランスを整える

30回噛んで食べると疲れにくい

疲労回復の鍵を握るイミダペプチド
黒酢大さじ1杯、梅干し2個分のクエン酸が疲れを防ぐ

一口の水分補給でも疲労感は軽減する

Caの摂取ではイライラは改善しない

疲労を取るコツ:睡眠編

横向き(右側を下にする)で寝ると、いびきをかかずに熟睡できる

夏バテ対策には、一晩中エアコンをつけておく

冬の睡眠中は、起き上がったときの室温に注意

1日最低6時間は睡眠時間を確保する

朝は自然の光で起きる

疲れている時は、休日に計画的な寝坊をする

冷えや冬バテ対策には足首を温める

疲労を避ける・溜めないコツ:環境編

立ち上がって歩くだけでも疲労回復に有効である

「ゆらぎ」のある環境なら疲れが取れやすい

運動負荷の設定法:
キャパシティに応じて行う
心拍数を測り、ステートに応じて行う

脳が若返る習慣2018/01/07 14:10

from 『疲れない脳のつくり方』 築山節著

>脳幹を守るルール(脳幹へ負荷をかけないこと)

 睡眠時間(6~7時間)を確保する
 ~質の良い睡眠と毎朝決まった時間に起きること
  (日光浴による体内時計のリセット)

 体温を一定に保つ
 ~加齢による自律神経の機能低下(自前での体温維持が
   難しくなる)

 水分補給を怠らない 
 ~こまめに規則的に水分をとる

 毎日、8000歩を歩く
 ~脳への血流

 太らずに体重を一定に保つ

>大脳辺縁系を守るルール(第2層の欲望と感情の制御)

 喜怒哀楽を少なく、柔らかな心を持つ
 ~プライドやこだわりを捨てて、一歩下がって自分を見つめる。
   穏やかな心で社会に参加し続ける。

 人間関係を5人以上持つ

 暴走のきっかけ自体を絶つ
 ~暴走の原因をつくらないようにアルコールや暴飲暴食に
   気をつける。

 ストレスを溜め込まない

 前頭葉を活性化させる
 ~「今、この場だけを感じる瞑想やマインドフルネス」などを
   行う。

 時間軸のノートをつける
 ~うつ病や自律神経失調症になると、時間を司る海馬の記
   憶力が低下することがある。時間軸記憶の助けになるよ
   うに、年表や日記をつける。

>大脳新皮質を守るルール

 脳の仕事量を把握して、キチンと休ませる
 ~イライラ、気まぐれ、無関心、無反応などの兆候がみられ
   たら、脳を休ませる。

 頭を使うには、入力だけでなく、”出力”まで行う
 ~例えば、新聞を読んだだけでは、頭を使ったことにならな
   い。音読したり、記事を写したり、誰かに伝えたりと、
   <目・耳・口・手足>を動かして出力すること。  

 常に変化を入れて、前頭葉の対応力を鍛える
 ~脳は楽な状況への「状況依存性」に陥る。これには、普段
   から小さな変化に脳を対応させることで克服ができる。
 ~さらに、「新しい世界を開き続け」、常に変化を取り入れる。

 感情を制御する習慣を持つ
 ~興奮した時には、他人ならばどうするかを考える習慣を
   つけておく。

インフル予防は、うがいより手洗い!2018/01/14 09:12

 
  「インフル対策、うがいより大事なことがある」
 
    from 日経ビジネス・オンライン 2018.01.13

今年は大流行のようですので、きちんとした理解で予防しましょう。

   インフルエンザは風邪と同様にウイルス感染による疾患ですが、
   ウイルスは体内の細胞に侵入して分裂することで増えていきます。
   20~30分程度で侵入してしまうため、口内のウイルスを除去する
   ためにはかなりの頻度でうがいをしなければならず、予防効果は
   あまり期待できません。

   そこでぜひ実践してほしいのが、「手洗い」と「顔を触らない」こと。

   インフルエンザはかなり近づかない限り、くしゃみやせきで感染す
   ることはありません。飛沫感染よりも注意したいのは、接触感染。
   インフルエンザの多くはくしゃみやせきで飛散したウイルスが付着
   したドアノブや机などを触り、ウイルスが付いた手で目や鼻をこす
   ることにより感染するからです。だから外出中は顔を触らないこと
   が大切。正しい手洗いやアルコールなどでこまめに手を清潔に保
   つことを心がけてください。

<勝負脳>#1-12018/01/15 08:04

from 林成之 『勝負脳の鍛え方』

脳幹を全開させる9つの秘訣>

(1)サイコサイバネティクス理論(目的実現理論)を応用せよ!

>成功するか否かは現象の受け取り方次第であり、成功するイメージ
 さえ持っていれば必ずそこに辿り着くことが出来る。

(イ)目的と目標を明確にする
(ロ)目標達成の具体的な方法を明らかにして実行する
(ハ)目的を達成するまでその実行を中止しない
→→ #5

>本書では、この理論をアレンジして、モジュレーター機能(→#2)
 とイメージ記憶(→#3)という脳の特性を踏まえた上での応用展
 開をしている。

(2)最初から100%集中せよ!
(3)相手の攻撃は最大のチャンス!
(4)相手の長所を打ち砕け!
(5)相手の立場になって勝ち方のイメージをつくれ!
(6)脳の温度上昇に注意!
(7)脳の疲労は勝負の大敵!
(8)勝負の最中にリラックスするな!
(9)緊張しすぎた時の対処法!

<勝負脳>#1-22018/01/16 11:52

from ibid.

(2)最初から100%集中せよ

(3)相手の攻撃は最大のチャンス

>(ボクシングのカウンターの如く)「攻撃への攻撃」こそは勝負脳
 を働かせた戦い方の基本形であり、「攻撃は最大の防御」といった
 考え方には落とし穴がある。それは受け身の考え方であって、
 渾身の一撃で必ず相手を倒すという強い心に欠ける。

(4)相手の長所を打ち砕け

>これが戦いに勝つ「神髄」。
 相手の得意技を上回る技を磨き、これまでよりたくさんのことを練習
 し工夫して、自分を高めて行く道筋が見えてくる。そうした努力の結
 果、相手の長所レベル以上の技を身につけ、その上で自分の技術
 を繰り出す。
 サイコ理論を思い起こし、脳は強く望めば、それを可能にする力を
 持っている。誰も真似の出来ないレベルまで、自分の技や戦略を
 磨くのだと考え、課題を一つひとつ丁寧に解決していく訓練を重ね
 ることが、勝負脳を鍛える方法になる。

(5)相手の立場になって勝ち方のイメージをつくれ

>(相手を)深く研究し、情報を収集し、対策を予め立てることはも
 ちろん大切だが、レベルが高くなれば、それらは参考に過ぎない。
 先入観に囚われることなく目前に展開している現実に対応する
 戦い方が重要となってくる。

~事前の情報に頼れなくなってくると、大切なことは(相手の)息
 づかい、汗、顔色、姿勢やバランス、目線、歩き方や走り方など
 です。特に脳は苦しくなると自己保存本能が働いて、苦痛を避
 けようとする為、そのサインを無意識の内に見せてしまうことが
 ある。このサインを見逃してはならない。
 くれぐれも先入観に囚われないこと!
 思い込みは勝負の大敵!
 わずかな気配を察知する繊細さ、そこから現在の状況を正確に
 把握する洞察力を実戦のなかで鍛えること。

~この相手の状況を読み取ろうとする頭の働かせ方は、勝ち方
 のイメージをつくるという意味で、勝負脳においても大切な要素
 だ。相手が苦しんでいることがわかれば、その試合の勝ち方を
 イメージしやすい。

>問題なのは、自分のほうが苦しい展開になっているとき。
 この場合、基本的に自分が不利なのですから、勝ち方をイメー
 ジすることができない。

~勝つイメージを持てないまま試合を続けることほど苦しいもの
 はない。否定的な考え方のまま続けえいると、脳は自分を守る
 ために、「出来なくても仕方がない」という理由を探し出してくる
 ので、「もうダメ」とか「無理だ」という考え方が自然に出てくる。

~こんな時は、どう戦えばよいのでしょうか?
 実は、このような場合こそ、相手の状況を洞察する勝負脳をフ
 ルに使うべきなのだ。自分の立場で考えても勝ちパターンは
 湧いてこないので、脳の使い方を変えて、相手の立場で現在
 の状況を考える。
 この時に最も大切なことは、出来る限り自分にとって都合の良
 いように考えること。(今、相手は、ここは無理をしてでも弱いと
 ころを見せたくない虚勢を張っているだけ)・・・とにかく洞察力
 をフルに働かせて、相手の気配から自分にとって都合の良い
 ところだけを探し出してイメージする。
 不安を抱えて戦っていると考えた途端に、それに伴って、こち
 ら側に勝ち方のイメージが湧いてくる。

~これは、人間の記憶はすべてイメージ記憶であるという原理
 を活用している。

 今、出来ることは何か?と作戦を考えることに気持ちを集中さ
 せる。目的とどのように行うのかという手段(目標)を分けて考
 える。自分の調子を整えることに気持ちを集中させると、前向
 きの考え方が生まれる。

>普段から自分にとって都合の悪いことでも正確に人に言える
 力を鍛えておく!
 そうすることで、自分に不利益な考え方も自然にできるように
 なる。先ほどの「自分にとって都合のよいことを考える」作戦と
 矛盾するじゃないかと言われそうですが、自分に都合のよいこ
 とだけを考えるのは、あくまでも自分が苦しい時の方便であっ
 て、日頃鍛えておくべきは、自分に都合の悪いことも直視でき
 る力になる。これがあって初めて、イメージ記憶の落とし穴に
 嵌まることなく、逆にそれを利用することが可能となる。