機能性医学の基本的な考え方#22019/01/25 14:33

from ibid.

>免疫と炎症は表裏一体

 免疫には、特定の非自己を対象とする獲得免疫と、不特定
 の非自己を対象とした自然免疫がある。初めて体内に入って
 来た抗原に対抗する抗体を作るまでには数日間かかる。この
 間、無防備な身体を守ってくれるのが自然免疫。これを担う免
 疫細胞には、白血球のおよそ半分を占める好中球、リンパ球
 の一種であるNK細胞がある。
 
 炎症とは、組織が傷害された時に起こる修復へ向けた生理
 的な反応で、獲得免疫も自然免疫も炎症反応の一種なので
 ある。

>慢性疾患の成立ち

 PRRs(パターン認識受容体)で危険な異物混入のシグナルを
 キャッチすると、自然免疫が働き、細胞内では遺伝子を読み
 出す転写因子が活性化して炎症が始まり・・・炎症性サイトカ
 イン、炎症性酵素、エイコサノイドといった炎症性物質が増え
 て炎症が本格化する。
 
 炎症反応と同時にリンパ球の一種であるT細胞やB細胞の
 成熟と補充が起こり、獲得免疫のメカニズムが本格化する。
 外部からの有害異物の侵入がなくとも、活性酸素、AGEs、
 機械的ストレス、紫外線、虚血による低酸素状態などによっ
 てダメージを受けると細胞内からダメージ関連分子パターン
 DAMPsが分泌される。それがPRRsなどのセンサーで感知
 されると炎症や免疫反応が起きる。

 慢性疾患の成立ちにはこの免疫の異常と慢性炎症がある。
 免疫の働きが悪いと様々な感染症のリスクが高くなり、不
 適切な炎症の継続は動脈硬化や肥満といった慢性疾患の
 引き金となる。

>活性化酸素とは

 体内に取り入れた酸素の1~2%は反応性の高い活性酸素
 となり、他の物質と反応して有害な酸化ストレスを起こす。
 ※ スーパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシルラジカル他

 酸化された蛋白質は、もはや自己とはみなされなくなり、防
 衛と修復の反応であるy免疫と炎症の引き金を引き続ける。
 動脈硬化の原因となるのも、酸化されたコレステロールを
 異物とみなして免疫反応と炎症が起こるためである。とはい
 え、異物と戦う免疫反応では活性酸素の毒性を武器として
 有効活用している。

 ※ビタミンCには、スーパーオキシドと過酸化水素を処理す
  るさようがある。
  カテキン(緑茶)、ケルセチン(玉葱)、アントシアニン
  (ブルーベリー)、βカロテン(人参)、ビタミンE(アーモンド、
  オリーブオイル)などにはヒドロキシルラジカルを無力化
  する働きがある。

>炎症を抑えるために忘れてはならないことは、Ω3脂肪酸と
 Ω6脂肪酸のバランスを整えることである。
 Ω3:Ω6=1:1~2(日本人の現状は、1:4~7)

 ※リノール酸(Ω6脂肪酸)は必須脂肪酸であっても摂り過
  ぎない(炎症亢進)ように注意が必要。植物油を大量に
  使う外食、加工食品、ファストフードを無意識に食べては
  いけない。