食塩は本当に血圧に関係しているか? ― 2021/07/07 18:05
from 『食塩と健康の科学』(伊藤敬一 2001年)
>食塩摂取と血圧の間には、強くはないが、明らかな
正の相関関係があると認められたのは、ある地域
に住む人たちの平均値で考えられてきたものであ
る。
それでは、個々の人たちにはどうなのであろうか?
個人間で比較すれば、そのような相関関係は認め
られない。この齟齬を解く鍵が、「食塩感受性」とい
う概念である。
>食塩を多く摂ると血圧が上昇してくるメカニズムは、
実は、完全に解明されたわけではない。
従来の知識をまとめてみると、
Na調節を司っているホルモン類が適応するまでに
かかる時間(2-3・4日)までの間には、先ず、食塩
摂取量が増加すれば、ある程度、体内の食塩量も
増加する。次に、この体内に増加した食塩が如何
にして血圧に関わるのか?増加した食塩は、体内
のどこに貯えられるのか?
それは細胞外液中であるから、当然、そこの食塩
濃度、Na、Clの濃度を上昇させる。
ところが、生体は浸透圧を一定に保つ作用のほう
を優先するので、上昇したNa、Clの濃度を前の値
に戻すために、渇感などで飲水を増加させること
により、細胞外液中に更に水分を引き込むから、
血漿量増加→血液量増加(循環血液量増加)
→心拍出量増加→血圧上昇
となる。しかし、これは一時的な現象に過ぎず、長
期に及んだ場合を調べてみると、血圧は依然上昇
していいても、循環血液量や心拍出量の増加は
見られなくなっている。
この時期の血圧上昇は、血管抵抗の亢進(血管が
細くなる)によるものであることが明らかにされてい
る。
血液量の増加は、なぜ血管抵抗性の上昇へと移
行するのか?は、未だ確たる説はない。
いずれにせよ、食塩増加により、最後には抹消血
管の収縮を増強させ、これが血圧上昇を起こして
いる。
>食塩摂取と血圧の間には、強くはないが、明らかな
正の相関関係があると認められたのは、ある地域
に住む人たちの平均値で考えられてきたものであ
る。
それでは、個々の人たちにはどうなのであろうか?
個人間で比較すれば、そのような相関関係は認め
られない。この齟齬を解く鍵が、「食塩感受性」とい
う概念である。
>食塩を多く摂ると血圧が上昇してくるメカニズムは、
実は、完全に解明されたわけではない。
従来の知識をまとめてみると、
Na調節を司っているホルモン類が適応するまでに
かかる時間(2-3・4日)までの間には、先ず、食塩
摂取量が増加すれば、ある程度、体内の食塩量も
増加する。次に、この体内に増加した食塩が如何
にして血圧に関わるのか?増加した食塩は、体内
のどこに貯えられるのか?
それは細胞外液中であるから、当然、そこの食塩
濃度、Na、Clの濃度を上昇させる。
ところが、生体は浸透圧を一定に保つ作用のほう
を優先するので、上昇したNa、Clの濃度を前の値
に戻すために、渇感などで飲水を増加させること
により、細胞外液中に更に水分を引き込むから、
血漿量増加→血液量増加(循環血液量増加)
→心拍出量増加→血圧上昇
となる。しかし、これは一時的な現象に過ぎず、長
期に及んだ場合を調べてみると、血圧は依然上昇
していいても、循環血液量や心拍出量の増加は
見られなくなっている。
この時期の血圧上昇は、血管抵抗の亢進(血管が
細くなる)によるものであることが明らかにされてい
る。
血液量の増加は、なぜ血管抵抗性の上昇へと移
行するのか?は、未だ確たる説はない。
いずれにせよ、食塩増加により、最後には抹消血
管の収縮を増強させ、これが血圧上昇を起こして
いる。
食塩感受性と非感受性 ― 2021/07/08 15:55
from 『食塩と健康の科学』(伊藤敬一 2001年)
>食塩負荷により血圧が上昇する食塩感受性の人は、
一概には言えないが、ほぼ30~50%と考えられてい
る。このような人は、逆に食塩を減らした場合にも、
今度は血圧が明らかに低下する。
食塩摂取量を1日10g程度に変化させた場合、血圧
が明らかに変化する可能性のある人は4割程度で、
それ以外の6割の人はそれほど動かないということ
である。
>では、食塩感受性の人と非感受性の人とではどこが
違うのだろうか?
食塩摂取量を増加させた場合、食塩の体内貯留量
が、人によって異なる。感受性の人は、この貯留量
が多い。非感受性の人はより少ないことが推察され
る。これは、食塩摂取量の変化に対する腎臓におけ
る食塩排泄対応の違いである。これには、腎臓に
作用するホルモン様物質が関与している。
※ アルドステロン、ウワバイン、キニン、
心房性ナトリウム利尿ペプチド、NO、
カリクレイン
もう一つの差は、食塩の体内での増加が末梢血管
の収縮へとつながるメカニズムである。
いずれにせよ、腎臓での食塩排泄能力の障害原因
として。腎臓の血管拡張性に欠陥があるためか、
もしくは、腎臓の尿細管でのNaやClの再吸収の異常
亢進で食塩排出に減少を来しているのか、などが
考えられる。
その原因としては、NO、プロスタグランジン、ドーパ
ミン、カリクレイン、20-HTEなどの欠乏が推測されて
いる。
※ アラキドン酸からの誘導体である20-HTEの
腎髄質内での欠乏は、腎尿細管でのClの
再吸収を亢進する。
その後、この血圧上昇は血圧を規定している抵抗
血管(細動脈)の収縮という形で維持されるように
なる。このメカニズムは未だ明らかではない。
>個人としては、食塩を多く摂っても血圧の変化はバラ
バラであり。両者間には関係は見られない。但し、
集団としてはその中の半数位の人で血圧が上昇
するので、全体の平均値としては、正の相関性を
示すことになる。
>食塩負荷により血圧が上昇する食塩感受性の人は、
一概には言えないが、ほぼ30~50%と考えられてい
る。このような人は、逆に食塩を減らした場合にも、
今度は血圧が明らかに低下する。
食塩摂取量を1日10g程度に変化させた場合、血圧
が明らかに変化する可能性のある人は4割程度で、
それ以外の6割の人はそれほど動かないということ
である。
>では、食塩感受性の人と非感受性の人とではどこが
違うのだろうか?
食塩摂取量を増加させた場合、食塩の体内貯留量
が、人によって異なる。感受性の人は、この貯留量
が多い。非感受性の人はより少ないことが推察され
る。これは、食塩摂取量の変化に対する腎臓におけ
る食塩排泄対応の違いである。これには、腎臓に
作用するホルモン様物質が関与している。
※ アルドステロン、ウワバイン、キニン、
心房性ナトリウム利尿ペプチド、NO、
カリクレイン
もう一つの差は、食塩の体内での増加が末梢血管
の収縮へとつながるメカニズムである。
いずれにせよ、腎臓での食塩排泄能力の障害原因
として。腎臓の血管拡張性に欠陥があるためか、
もしくは、腎臓の尿細管でのNaやClの再吸収の異常
亢進で食塩排出に減少を来しているのか、などが
考えられる。
その原因としては、NO、プロスタグランジン、ドーパ
ミン、カリクレイン、20-HTEなどの欠乏が推測されて
いる。
※ アラキドン酸からの誘導体である20-HTEの
腎髄質内での欠乏は、腎尿細管でのClの
再吸収を亢進する。
その後、この血圧上昇は血圧を規定している抵抗
血管(細動脈)の収縮という形で維持されるように
なる。このメカニズムは未だ明らかではない。
>個人としては、食塩を多く摂っても血圧の変化はバラ
バラであり。両者間には関係は見られない。但し、
集団としてはその中の半数位の人で血圧が上昇
するので、全体の平均値としては、正の相関性を
示すことになる。
食塩とミネラル ― 2021/07/09 19:50
from 『食塩と健康の科学』(伊藤敬一、2001年)
>食塩とK
Kは生体内に、130~150g存在する。
そのうちの70%は筋肉内に存在する。
Kは細胞内にある、最も主要な陽イオン・ミネラルで、
NaとClは細胞外液中の主なミネラルである。
細胞膜に存在するNa-Kポンプの作用で、Kは常に
細胞外液中から細胞内へ汲み入れられ、逆にNaが
細胞内から細胞外へ汲み出されている。
口から摂取したKは、その80~90%はNaと同様に、
腎臓から排泄される。そこでのNaとK動向は、近位
尿細管では両者共に再吸収されるが、遠位尿細管
や集合管では一部逆方向になる。
※ Na排泄の減少=K排泄の増加
体内で食塩含有量が欠乏した時、アルドステロンの
分泌が上昇して、Na排泄減少とK排泄量上昇となる。
つまり、食塩欠乏の防止が優先されるのである。
※ 反対効果としてK欠乏が発生する。
食塩負荷時の血圧上昇に対するKの影響は、食塩
摂取量に対しK摂取量が多くなるほど血圧上昇が少
ない。
K負荷による降圧メカニズムとしては、
・Kを多く摂取することで、Naの尿中排泄量が増加する
・レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の抑制
・直接に血管を拡張する働き etc.
>食塩とCa
Caの摂取もまた、K同様、尿中のNa排泄促進させる。
つまり、血圧上昇にCaは防御的に働く。食塩負荷に
依存している高血圧には、Caは有効である。食塩感受
性の人は、食塩を多く摂るとCaの喪失も高度となるの
で、血漿中のCa(イオン化カルシウム)が低下しやすい。
逆に言えば、低カルシウム血症を示す高血圧の人は、
Caの摂取を増やせば、体内のCa欠乏を防ぐとともに、
血圧も下がることになる。
>食塩が血圧を上昇させる方向に働くのに対し、K、Ca、
Mgなどのミネラル類は、この食塩による高血圧を防
止する方向に働いている可能性が考えられる。
>食塩とK
Kは生体内に、130~150g存在する。
そのうちの70%は筋肉内に存在する。
Kは細胞内にある、最も主要な陽イオン・ミネラルで、
NaとClは細胞外液中の主なミネラルである。
細胞膜に存在するNa-Kポンプの作用で、Kは常に
細胞外液中から細胞内へ汲み入れられ、逆にNaが
細胞内から細胞外へ汲み出されている。
口から摂取したKは、その80~90%はNaと同様に、
腎臓から排泄される。そこでのNaとK動向は、近位
尿細管では両者共に再吸収されるが、遠位尿細管
や集合管では一部逆方向になる。
※ Na排泄の減少=K排泄の増加
体内で食塩含有量が欠乏した時、アルドステロンの
分泌が上昇して、Na排泄減少とK排泄量上昇となる。
つまり、食塩欠乏の防止が優先されるのである。
※ 反対効果としてK欠乏が発生する。
食塩負荷時の血圧上昇に対するKの影響は、食塩
摂取量に対しK摂取量が多くなるほど血圧上昇が少
ない。
K負荷による降圧メカニズムとしては、
・Kを多く摂取することで、Naの尿中排泄量が増加する
・レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の抑制
・直接に血管を拡張する働き etc.
>食塩とCa
Caの摂取もまた、K同様、尿中のNa排泄促進させる。
つまり、血圧上昇にCaは防御的に働く。食塩負荷に
依存している高血圧には、Caは有効である。食塩感受
性の人は、食塩を多く摂るとCaの喪失も高度となるの
で、血漿中のCa(イオン化カルシウム)が低下しやすい。
逆に言えば、低カルシウム血症を示す高血圧の人は、
Caの摂取を増やせば、体内のCa欠乏を防ぐとともに、
血圧も下がることになる。
>食塩が血圧を上昇させる方向に働くのに対し、K、Ca、
Mgなどのミネラル類は、この食塩による高血圧を防
止する方向に働いている可能性が考えられる。
ARBと食塩摂取量 ― 2021/07/10 19:27
from 『食塩と健康の科学』(伊藤敬一、2001年)
>アンジオテンシン変換酵素阻害薬を服用している場合、
血中のアンジオテンシンⅡの濃度は極端に低下してい
るところから、
→中枢性(脳内)のアンジオテンシンⅡ濃度も低下して
いる(筈)
→食塩嗜好も低下する(筈)
ところが、ラットでの実験結果は逆であった。
予想とは逆の結果を起こしたこのメカニズムについて
は、未だ十分に明らかにされていない。この動物実験
が直ちにヒトに当て嵌まるか否かは分からない。
従って、ARB服用中の食塩摂取量には十分留意する
必要がある。
利尿降圧薬(食塩嗜好を亢進させる)の場合、食塩摂
取量を多くすると、降圧効果が減弱する。
>降圧薬と食塩嗜好との関係は、関心をもたれるべき問
題である。
>本態性高血圧症(90%の高血圧の人)は、原因が明ら
かではないといっても、原因について何も分かってい
ないということではない。コレと特定されていないという
ことである。このゆえに、治すことのできない高血圧と
いうことになる。
降圧薬は本態性高血圧症を根本的に治す薬ではない
から、服用をやめれば、やがてまた血圧は上昇する。
服用と食事を含めた非薬物療法とを持続的に行い、
血圧を下げたさえおけば、高血圧による障害からは
免れ得るのである。
>アンジオテンシン変換酵素阻害薬を服用している場合、
血中のアンジオテンシンⅡの濃度は極端に低下してい
るところから、
→中枢性(脳内)のアンジオテンシンⅡ濃度も低下して
いる(筈)
→食塩嗜好も低下する(筈)
ところが、ラットでの実験結果は逆であった。
予想とは逆の結果を起こしたこのメカニズムについて
は、未だ十分に明らかにされていない。この動物実験
が直ちにヒトに当て嵌まるか否かは分からない。
従って、ARB服用中の食塩摂取量には十分留意する
必要がある。
利尿降圧薬(食塩嗜好を亢進させる)の場合、食塩摂
取量を多くすると、降圧効果が減弱する。
>降圧薬と食塩嗜好との関係は、関心をもたれるべき問
題である。
>本態性高血圧症(90%の高血圧の人)は、原因が明ら
かではないといっても、原因について何も分かってい
ないということではない。コレと特定されていないという
ことである。このゆえに、治すことのできない高血圧と
いうことになる。
降圧薬は本態性高血圧症を根本的に治す薬ではない
から、服用をやめれば、やがてまた血圧は上昇する。
服用と食事を含めた非薬物療法とを持続的に行い、
血圧を下げたさえおけば、高血圧による障害からは
免れ得るのである。
食塩と体内収支 ― 2021/07/11 18:25
from 『食塩と健康の科学』(伊藤敬一、2001年)
>NaとClは食塩として一緒に摂取されるが、体内では食塩
として働いているわけではない。
Na→細胞外液中の陽イオン
Cl→細胞外液中の陰イオン
それぞれ浸透圧をつくっている。
245mOsm/l = 140mEq + 1045mEq
Na Cl
摂取した食塩の余剰分は腎臓から尿として排泄される。
日々摂取した食塩の殆どは、実は余分な量として排泄さ
れている。
>それでは、どのようにして排泄されているのか?
糸球体へは、血管内の血液から1日に1500gもの食塩が
濾過されている。同時に175lの水分も血管内から糸球体
内へ濾過されている。体内に含まれている食塩量は200g
(max)である。それなのに、何故1日に1500gもの食塩が
「濾過」されているのだろうか?
糸球体で濾過された食塩は、尿細管を通る間に、殆ど
が再吸収されて再び血液中に戻る。即ち、腎臓を出て
行く血液中の食塩濃度は、腎臓に入る時と殆ど変わら
ないのである。食塩は腎臓内で一旦、血液中から外に
出されるが、その殆どは再び元の血液中に戻される。
腎臓は食塩のためだけに働いているのではない。ミネ
ラル類や水などの小さい物質は糸球体内の血管壁の
隙間から物理的に濾過されて出てくる。蛋白質や血球
のような大きな物質は通れない。
Na、Cl、H2Oはやがて近位尿細管へ流れ込む。ここで、
Na、Cl、H2Oの60%が尿細管内から再吸収され、血管
内へ戻されるので、約600gの食塩がヘンレ係蹄へ入
る。そこから腎臓深部(髄質、乳頭部)へ入って、次に
上行脚を通って戻ってくる。この間に、尿細管外の
髄質部に浸透圧の勾配(深部に行くほど、浸透圧が
高い)をつくっている。表層部の千倍位あり、これは
尿を濃縮するために必要である。
最後の集合管へは、糸球体にある食塩量の10%
(=150g位)しか残らない。更に、集合管で再吸収さ
れて、尿として体外に出されるのは、糸球体に濾過
された量のわずか1%(=10~15g)にも満たなくなる。
この集合管での再吸収の程度が、食塩の排泄量を
主に規定している因子である。アルドステロン(ホル
モン)が、この集合管に働いて食塩の再吸収を調節
している。
※ 食塩排泄を抑制している物質としては、アルドス
テロンのほか、カテコールアミン、アンジオテン
シンⅡなどがある。
※ 食塩排泄を促進する物質は、心房性ナトリウム
利尿ペプチド、プロスタグランジン、NOなどがあ
る。
食塩排泄に関与する因子で、最も主要な働きをして
いるのはアルドステロンであり、このアルドステロン
をはじめ、多くの食塩排泄に関わる物質の分泌を
調節しているのは体内のナトリウム含有量、血漿ナ
トリウム濃度、循環血漿量、心房内圧などである。
>ミネラル類は、体にとって必要なものは再吸収されて
体内に戻されること・・・食塩に関しても、尿細管での
99%にも及ぶ再吸収にエネルギーがつかわれている。
食塩は如何に排泄されるかではなく、如何に再吸収
するか(体内に保存する)の方に腎臓が働いている
ことを知る必要がある。・・・水分を十分に摂っていれ
ば、食塩摂取量が殆どゼロ近くになっても、簡単には
体内の食塩量が不足したり、循環不全などは起こら
ない仕組みになっている。
※ このことはKなどとは異なり、それは、Kは食物か
ら取りやすかったことに拠る。
>NaとClは食塩として一緒に摂取されるが、体内では食塩
として働いているわけではない。
Na→細胞外液中の陽イオン
Cl→細胞外液中の陰イオン
それぞれ浸透圧をつくっている。
245mOsm/l = 140mEq + 1045mEq
Na Cl
摂取した食塩の余剰分は腎臓から尿として排泄される。
日々摂取した食塩の殆どは、実は余分な量として排泄さ
れている。
>それでは、どのようにして排泄されているのか?
糸球体へは、血管内の血液から1日に1500gもの食塩が
濾過されている。同時に175lの水分も血管内から糸球体
内へ濾過されている。体内に含まれている食塩量は200g
(max)である。それなのに、何故1日に1500gもの食塩が
「濾過」されているのだろうか?
糸球体で濾過された食塩は、尿細管を通る間に、殆ど
が再吸収されて再び血液中に戻る。即ち、腎臓を出て
行く血液中の食塩濃度は、腎臓に入る時と殆ど変わら
ないのである。食塩は腎臓内で一旦、血液中から外に
出されるが、その殆どは再び元の血液中に戻される。
腎臓は食塩のためだけに働いているのではない。ミネ
ラル類や水などの小さい物質は糸球体内の血管壁の
隙間から物理的に濾過されて出てくる。蛋白質や血球
のような大きな物質は通れない。
Na、Cl、H2Oはやがて近位尿細管へ流れ込む。ここで、
Na、Cl、H2Oの60%が尿細管内から再吸収され、血管
内へ戻されるので、約600gの食塩がヘンレ係蹄へ入
る。そこから腎臓深部(髄質、乳頭部)へ入って、次に
上行脚を通って戻ってくる。この間に、尿細管外の
髄質部に浸透圧の勾配(深部に行くほど、浸透圧が
高い)をつくっている。表層部の千倍位あり、これは
尿を濃縮するために必要である。
最後の集合管へは、糸球体にある食塩量の10%
(=150g位)しか残らない。更に、集合管で再吸収さ
れて、尿として体外に出されるのは、糸球体に濾過
された量のわずか1%(=10~15g)にも満たなくなる。
この集合管での再吸収の程度が、食塩の排泄量を
主に規定している因子である。アルドステロン(ホル
モン)が、この集合管に働いて食塩の再吸収を調節
している。
※ 食塩排泄を抑制している物質としては、アルドス
テロンのほか、カテコールアミン、アンジオテン
シンⅡなどがある。
※ 食塩排泄を促進する物質は、心房性ナトリウム
利尿ペプチド、プロスタグランジン、NOなどがあ
る。
食塩排泄に関与する因子で、最も主要な働きをして
いるのはアルドステロンであり、このアルドステロン
をはじめ、多くの食塩排泄に関わる物質の分泌を
調節しているのは体内のナトリウム含有量、血漿ナ
トリウム濃度、循環血漿量、心房内圧などである。
>ミネラル類は、体にとって必要なものは再吸収されて
体内に戻されること・・・食塩に関しても、尿細管での
99%にも及ぶ再吸収にエネルギーがつかわれている。
食塩は如何に排泄されるかではなく、如何に再吸収
するか(体内に保存する)の方に腎臓が働いている
ことを知る必要がある。・・・水分を十分に摂っていれ
ば、食塩摂取量が殆どゼロ近くになっても、簡単には
体内の食塩量が不足したり、循環不全などは起こら
ない仕組みになっている。
※ このことはKなどとは異なり、それは、Kは食物か
ら取りやすかったことに拠る。
「内臓脂肪を燃やす」基本食 ― 2021/07/12 14:45
from 『内臓脂肪が落ちる究極の食事』(マーク・ハイマン)
賛否両論ある食べ物
>乳製品
乳製品に耐性のある人もいるが、そうでない、乳糖不
耐性症の人も一定数存在する。大半の人では、肥満、
糖尿病、心臓病、癌の一因となり、しかも、アレルギー、
湿疹、過敏性腸症候群、骨粗鬆症のリスクも高める。
データの中には、体重管理と糖尿病予防に役立つこと
を示唆するものもあるが、それは牛乳を飲む人が炭酸
飲料飲料や砂糖入り飲料をあまり飲まないためか、
牛乳自体のためか、それとも酪農協議会から研究資金
を受けたためかは定かではない。
>穀類
グルテンは炎症、自己免疫疾患、消化器系疾患、精神
疾患、肥満、心臓病、癌の一因となっている。
グルテン感受性を持つ人は、アメリカ人の約10%
(3000万人)いる。ただ、その診断を受けている人は、
1%未満だ。
グルテンは精製された高GI食品に含まれていて、体重
増加とインスリン抵抗性の一因となる。全粒小麦粉の
パンでも、砂糖以上に血糖値を急上昇させる。
>豆類
豆類は、食物繊維、蛋白質、ミネラルの宝庫である。
しかし、人によっては、消化器系の病気を起こすことが
あり、糖尿病患者では、豆の多い食品が血糖スパイク
の原因となる可能性がある。
また、豆にはレクチンが含まれていると心配する研究
者もいる。それは炎症とフィチン酸を発生させてミネラ
ルの吸収を阻害する。
>肉
肉に関する研究は曖昧なものである。それは、大半の
研究が肉の「質」を調べていないからだ。
赤肉は心臓病による死亡率を増やすという研究もある
が、その逆の結果を示す研究もある。実のところ、それ
は研究が行われた方法による。
>卵
特に、有機飼育によるΩ3栄養強化卵は、低価格で極
めて栄養価の高い蛋白源で、しかもコレステロールや
心臓病のリスクには何の影響も及ぼさない。
賛否両論ある食べ物
>乳製品
乳製品に耐性のある人もいるが、そうでない、乳糖不
耐性症の人も一定数存在する。大半の人では、肥満、
糖尿病、心臓病、癌の一因となり、しかも、アレルギー、
湿疹、過敏性腸症候群、骨粗鬆症のリスクも高める。
データの中には、体重管理と糖尿病予防に役立つこと
を示唆するものもあるが、それは牛乳を飲む人が炭酸
飲料飲料や砂糖入り飲料をあまり飲まないためか、
牛乳自体のためか、それとも酪農協議会から研究資金
を受けたためかは定かではない。
>穀類
グルテンは炎症、自己免疫疾患、消化器系疾患、精神
疾患、肥満、心臓病、癌の一因となっている。
グルテン感受性を持つ人は、アメリカ人の約10%
(3000万人)いる。ただ、その診断を受けている人は、
1%未満だ。
グルテンは精製された高GI食品に含まれていて、体重
増加とインスリン抵抗性の一因となる。全粒小麦粉の
パンでも、砂糖以上に血糖値を急上昇させる。
>豆類
豆類は、食物繊維、蛋白質、ミネラルの宝庫である。
しかし、人によっては、消化器系の病気を起こすことが
あり、糖尿病患者では、豆の多い食品が血糖スパイク
の原因となる可能性がある。
また、豆にはレクチンが含まれていると心配する研究
者もいる。それは炎症とフィチン酸を発生させてミネラ
ルの吸収を阻害する。
>肉
肉に関する研究は曖昧なものである。それは、大半の
研究が肉の「質」を調べていないからだ。
赤肉は心臓病による死亡率を増やすという研究もある
が、その逆の結果を示す研究もある。実のところ、それ
は研究が行われた方法による。
>卵
特に、有機飼育によるΩ3栄養強化卵は、低価格で極
めて栄養価の高い蛋白源で、しかもコレステロールや
心臓病のリスクには何の影響も及ぼさない。
「内臓脂肪を燃やす」食事法ですすめる食べ物 ― 2021/07/13 15:54
from 『内臓脂肪が落ちる究極の食事』(マーク・ハイマン)
>グラスフェッド・バター
バターに関わる問題は飽和脂肪酸を多く含むこと(脂質
分の60%)だと考えられてきた。しかし、母乳の脂質の
50%は飽和脂肪酸で、母乳育児の子どもがあらゆる病
気にかかりにくいのは、それに関係していると考えられ
てきた。バターは本質的に純粋な動物性脂肪であり、微
量の乳蛋白質と糖質が少し残っているだけだ。
バターは約60%の飽和脂肪酸と約20%の一価不飽和
脂肪酸を含み、残りが多価不飽和脂肪酸だが、ここが
グラスフェッドとグレインフェッドの本当の違いが出る部
分だ。牧草飼育の牛が出すミルクは、Ω6とΩ3脂肪酸
の比率が1:1で、理想的だ。これに対して、穀物飼育の
牛ではこの比率がΩ6に大きく傾く(7:1)。
※ グラスフェッド・バターに含まれるCLA(共役リノー
ル酸が3-5倍位多い。
乳製品を避けるべき理由はあるかもしれないが、飽和
脂肪酸成分は、それに含まれない。
牛の胃の中の発酵により、ビタミンK1はK2に変えられ、
それが乳脂肪に含まれる。これは、骨と心臓の健康に
重要である。グラスフェッド・バターにはまた、酪酸と
呼ばれる脂肪酸を含んでおり、腸の健康を増進し、心
血管系の炎症を抑える働きがある。
>ギー
これは、インド、中東、西アジアの料理でバターの代わ
りに用いられ、その発煙点の高さが好まれている。
※ バターの発煙点は、163-191℃
ギーの発煙点は、 204-260℃
どんな油も発煙点以下で使うのがベスト
グラスフェッド・バターの栄養分はギーにも全て含まれ
ている。
>ココナッツオイル
ココナッツオイルはすべての食品で最も多量の飽和脂
肪酸を含んで(90%)いて、総コレステロールを増加さ
せるにもかかわらず、心臓発作や脳卒中リスクの増加
には無関係である。
※ HDLコレステロールの増加が最も大きいため、総コ
レステロールが増えても比率は改善される。
つまり、ココナッツ脂肪を摂ると、HDLコレステロールが
増え、トリグリセリドと小型LDLコレステロール粒子の数
は減少する。
ココナッツオイルは約86%の飽和脂肪酸、約6%の一価
不飽和脂肪酸、そして約1.4%の多価不飽和脂肪酸で
できている。その飽和脂肪酸の約半分はラウリン酸と
呼ばれる。それはMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)として
知られている。
MCTは、総コレステロールとHDLコレステロールの比率
を下げ、体重を減らす。これはユニークな脂肪酸で、抗
酸化作用と抗菌性があり、免疫系強化の役に立つ。
また、体内で容易にエネルギーに変換されるので、脂肪
として蓄えられることが殆どない。
>ナッツと種子
PREDIMED研究(地中海料理による予防)では、ナッツ
を毎日食べた人は心臓発作を起こすリスクが30%減少
した。スタチン剤服用と同等以上の効果。
ナッツには多くの蛋白質、食物繊維、ビタミン、ミネラル
が含まれている。健康に良い資質がたっぷり含まれ、
食欲を減らす効果がある。大事なのは適度に食べるこ
とだ。1日ひと握りか2握りで十分だ。
高温の業務用ロースターで焼くと、ナッツや種子に含
まれる繊細な脂質が損なわれるので、ローストナッツ
や塩で味付けしたナッツは避けよう。
ナッツや種子を水に浸して、レクチン、フィチン酸塩、
酵素阻害物質を減らすのは良いアイデアだ。
※ 一晩または24時間、温かい塩水に浸す。温水が
ナッツの表面から約2.5センチの高さまで、ボウ
ルに入っていること。ナッツ4カップにつき大さじ
1杯の海塩を加える。10分浸したら、すすぎの水
が透明になるまで完全に濯ぐこと。それから、
完全に乾燥させることが極めて大事。一番良い
方法は、できるだけ低温(49℃以下)にセットした
温かいオーブンで重ならないように広げること。
>グラスフェッド・バター
バターに関わる問題は飽和脂肪酸を多く含むこと(脂質
分の60%)だと考えられてきた。しかし、母乳の脂質の
50%は飽和脂肪酸で、母乳育児の子どもがあらゆる病
気にかかりにくいのは、それに関係していると考えられ
てきた。バターは本質的に純粋な動物性脂肪であり、微
量の乳蛋白質と糖質が少し残っているだけだ。
バターは約60%の飽和脂肪酸と約20%の一価不飽和
脂肪酸を含み、残りが多価不飽和脂肪酸だが、ここが
グラスフェッドとグレインフェッドの本当の違いが出る部
分だ。牧草飼育の牛が出すミルクは、Ω6とΩ3脂肪酸
の比率が1:1で、理想的だ。これに対して、穀物飼育の
牛ではこの比率がΩ6に大きく傾く(7:1)。
※ グラスフェッド・バターに含まれるCLA(共役リノー
ル酸が3-5倍位多い。
乳製品を避けるべき理由はあるかもしれないが、飽和
脂肪酸成分は、それに含まれない。
牛の胃の中の発酵により、ビタミンK1はK2に変えられ、
それが乳脂肪に含まれる。これは、骨と心臓の健康に
重要である。グラスフェッド・バターにはまた、酪酸と
呼ばれる脂肪酸を含んでおり、腸の健康を増進し、心
血管系の炎症を抑える働きがある。
>ギー
これは、インド、中東、西アジアの料理でバターの代わ
りに用いられ、その発煙点の高さが好まれている。
※ バターの発煙点は、163-191℃
ギーの発煙点は、 204-260℃
どんな油も発煙点以下で使うのがベスト
グラスフェッド・バターの栄養分はギーにも全て含まれ
ている。
>ココナッツオイル
ココナッツオイルはすべての食品で最も多量の飽和脂
肪酸を含んで(90%)いて、総コレステロールを増加さ
せるにもかかわらず、心臓発作や脳卒中リスクの増加
には無関係である。
※ HDLコレステロールの増加が最も大きいため、総コ
レステロールが増えても比率は改善される。
つまり、ココナッツ脂肪を摂ると、HDLコレステロールが
増え、トリグリセリドと小型LDLコレステロール粒子の数
は減少する。
ココナッツオイルは約86%の飽和脂肪酸、約6%の一価
不飽和脂肪酸、そして約1.4%の多価不飽和脂肪酸で
できている。その飽和脂肪酸の約半分はラウリン酸と
呼ばれる。それはMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)として
知られている。
MCTは、総コレステロールとHDLコレステロールの比率
を下げ、体重を減らす。これはユニークな脂肪酸で、抗
酸化作用と抗菌性があり、免疫系強化の役に立つ。
また、体内で容易にエネルギーに変換されるので、脂肪
として蓄えられることが殆どない。
>ナッツと種子
PREDIMED研究(地中海料理による予防)では、ナッツ
を毎日食べた人は心臓発作を起こすリスクが30%減少
した。スタチン剤服用と同等以上の効果。
ナッツには多くの蛋白質、食物繊維、ビタミン、ミネラル
が含まれている。健康に良い資質がたっぷり含まれ、
食欲を減らす効果がある。大事なのは適度に食べるこ
とだ。1日ひと握りか2握りで十分だ。
高温の業務用ロースターで焼くと、ナッツや種子に含
まれる繊細な脂質が損なわれるので、ローストナッツ
や塩で味付けしたナッツは避けよう。
ナッツや種子を水に浸して、レクチン、フィチン酸塩、
酵素阻害物質を減らすのは良いアイデアだ。
※ 一晩または24時間、温かい塩水に浸す。温水が
ナッツの表面から約2.5センチの高さまで、ボウ
ルに入っていること。ナッツ4カップにつき大さじ
1杯の海塩を加える。10分浸したら、すすぎの水
が透明になるまで完全に濯ぐこと。それから、
完全に乾燥させることが極めて大事。一番良い
方法は、できるだけ低温(49℃以下)にセットした
温かいオーブンで重ならないように広げること。
「内臓脂肪を燃やす」食事法ですすめない食べ物 ― 2021/07/14 12:58
from 『内臓脂肪が落ちる究極の食事』マーク・ハイマン
「内臓脂肪を燃やす」食事実践法ですすめない食べ物・飲み物
>グルテン
隠れたグルテン源を探すには、www.celiac.org を参照
グルテンを避ける一番の方法は、100%の確信が持てな
い限り、工場で生産されたものは食べないこと
レストランも同様
>乳製品
例外は、グラスフェッドバター、澄ましバター、ギーに限ら
れる。これらには、多量の抗酸化物質とCLAなどの良い
脂質が含まれている。
>豆類
かなりの量のデンプンが含まれているので、血糖のバラ
ンスには良くない。また、レクチンと呼ばれる炎症性の
化合物も含まれている。
>果物
抗酸化物質や食物繊維などが豊富に含まれている。
同時に、糖類の摂取源であり、インスリン抵抗性のあ
る人、減量中の人にとっては要注意である。
>精製食物油
炎症性のΩ6脂肪酸と有害物質が大量に含まれている。
>カラギーナン
海藻から抽出される多糖類で加工食品、飲料などの増
粘剤や安定剤として使用され、食物性ミルクに入ってい
る。リーキーガットを引き起こす可能性がある。
「内臓脂肪を燃やす」食事実践法ですすめない食べ物・飲み物
>グルテン
隠れたグルテン源を探すには、www.celiac.org を参照
グルテンを避ける一番の方法は、100%の確信が持てな
い限り、工場で生産されたものは食べないこと
レストランも同様
>乳製品
例外は、グラスフェッドバター、澄ましバター、ギーに限ら
れる。これらには、多量の抗酸化物質とCLAなどの良い
脂質が含まれている。
>豆類
かなりの量のデンプンが含まれているので、血糖のバラ
ンスには良くない。また、レクチンと呼ばれる炎症性の
化合物も含まれている。
>果物
抗酸化物質や食物繊維などが豊富に含まれている。
同時に、糖類の摂取源であり、インスリン抵抗性のあ
る人、減量中の人にとっては要注意である。
>精製食物油
炎症性のΩ6脂肪酸と有害物質が大量に含まれている。
>カラギーナン
海藻から抽出される多糖類で加工食品、飲料などの増
粘剤や安定剤として使用され、食物性ミルクに入ってい
る。リーキーガットを引き起こす可能性がある。
「内臓脂肪を燃やす」食事法で食べてはいけない食品 ― 2021/07/15 14:28
from 『内臓脂肪が落ちる究極の食事』 マーク・ハイマン
>フェイク食品
これには、完全でないもの、本物でないもの、新鮮でない
ものすべてが含まれる。袋入りや箱詰めのものは全部
これに該当する。
保存料、添加物、着色料を含むものすべて、その他の方
法で処理されたすべてを処分する(ゴミ箱に放り込む)。
加工スナック食品、冷凍のパッケージ料理、そして一番大
事なことだが、「無脂肪」「低脂肪」表示のついたものは
すべて廃棄する。
※ 「天然調味料」入りのものは、グルテン、あるいは
ビーバーの肛門腺の分泌物(バニラ風味に使われ
る)を含んでいる可能性がある。
>糖類を含む食品
あらゆる形態の糖類を意味しており、異性化糖はもちろ
んのこと、蜂蜜、糖蜜、アガベシロップ、ココナッツシュガー、
有機サトウキビのような「天然」甘味料も含まれる。
>糖類を含む飲み物
フルーツジュース(甘味料不添加でも)、砂糖入り紅茶、
コーヒー、スポーツドリンク、栄養ドリンク、等
>人工甘味料を含む食べ物
アスパルテーム、サッカリン、ソルビトール、キシリトー
ルなどのすべての人工甘味料はポイと捨てよう。
ステビアなどの「天然の」低カロリーまたはノンカロリー
甘味料もやめる。
>水素添加油、精製食物油を含むもの
コーン油、大豆油、菜種油、サフラー油、ひまわり油(工場
で製造した高度に精製、処理された、透明で味のない油)
等には、炎症性のΩ6脂肪酸が含まれているから、避け
たい。
ナッツや種子類、動物性食品などから、多量のΩ6脂肪酸
が体内に摂り込まれるから避けるように。
※ 驚くことは、牛肉や鶏肉がΩ6脂肪酸の大きな供給源
になっていること。そうなる理由は、農業経営の工業
化とともに、農家が飼料を牧草からトウモロコシや穀
物に切り換えたため、今ではΩ6植物性脂肪が、「動
物性」脂肪のかなりの部分を占めている。
人工の植物油を信用するな!
リノール酸はLDLコレステロールを減らす一方で、
コレステロールの酸化と炎症を発生させやすく、その結果、
動脈へのコレステロール沈着、アテローム性動脈硬化症
の増加を招く可能性がある・・・Ω6PUFA(多価不飽和脂
肪酸)の過剰な摂取は慎重にすべき理由があり、・・・
最大の理由は、それが炎症促進性のあるアラキドン酸を
増やすこと、アラキドン酸がΩ3脂肪酸の拮抗物質として
作用するためである。
※ 精製油が食生活に取り入れられ、野生動物の捕獲や
牧草による家畜飼育から工業的な家畜生産に移行
した結果、食事に含まれるΩ6脂肪酸は急激に増加
し、その一方でΩ3脂肪酸は減少(Ω6:Ω3が、
10-20:1)した。バランス(Ω6:Ω3=1-2:1)が大事
なのだ。前者は体内の炎症に油を注ぎ、後者には
抗炎症作用がある。
何より重要なことは、Ω6は組織内の抗炎症性Ω3
の利用可能性を減らし(炎症を酷くし)て、ALA(植物
由来Ω3)から体内のEPA/DHA(活性型Ω3)への
変換を40%阻害することだ。
遺伝子組み換え食品の疑惑
植物油の多くはGMO(遺伝子組み換え作物)から作られ
ている。大豆油にはΩ6脂肪酸がたっぷり含まれている。
米国の大豆作物の94%は遺伝子組み換えによるものだ。
遺伝子操作を受けた大豆は、グリホサート(商品名はラ
ウンドアップ:雑草を選択的に枯らす)という除草剤に耐
性を持つように作られていることから、ラウンドアップ・
レディ(ready)大豆と呼ばれている。
モンサント社が作る遺伝子組み換えラウンドアップ・レ
ディ大豆は、ホルムアルデヒドを生成し、グルタチオン
(天然の抗酸化剤)を激減させる。これらの影響を齎す
大豆の遺伝子は、ヒトの腸内バクテリアに導入される
可能性がある。つまり、遺伝子組み換えによる食品摂
取をやめた後も、長く、その遺伝子組み換え蛋白を体
内で作り続ける可能性がある。
>その他
有機畜産ではない乳製品を捨てること。
※ ホルモン、抗生物質、炎症性化合物がたっぷり含
まれている
◎ 食べ物の脂質は離脱症状キラーで、血糖バランスを
長期に渡って安定させ、急上昇や変動を抑える。
糖質は渇望と依存を刺激するが、脂質はそれを抑制
するのである。
>フェイク食品
これには、完全でないもの、本物でないもの、新鮮でない
ものすべてが含まれる。袋入りや箱詰めのものは全部
これに該当する。
保存料、添加物、着色料を含むものすべて、その他の方
法で処理されたすべてを処分する(ゴミ箱に放り込む)。
加工スナック食品、冷凍のパッケージ料理、そして一番大
事なことだが、「無脂肪」「低脂肪」表示のついたものは
すべて廃棄する。
※ 「天然調味料」入りのものは、グルテン、あるいは
ビーバーの肛門腺の分泌物(バニラ風味に使われ
る)を含んでいる可能性がある。
>糖類を含む食品
あらゆる形態の糖類を意味しており、異性化糖はもちろ
んのこと、蜂蜜、糖蜜、アガベシロップ、ココナッツシュガー、
有機サトウキビのような「天然」甘味料も含まれる。
>糖類を含む飲み物
フルーツジュース(甘味料不添加でも)、砂糖入り紅茶、
コーヒー、スポーツドリンク、栄養ドリンク、等
>人工甘味料を含む食べ物
アスパルテーム、サッカリン、ソルビトール、キシリトー
ルなどのすべての人工甘味料はポイと捨てよう。
ステビアなどの「天然の」低カロリーまたはノンカロリー
甘味料もやめる。
>水素添加油、精製食物油を含むもの
コーン油、大豆油、菜種油、サフラー油、ひまわり油(工場
で製造した高度に精製、処理された、透明で味のない油)
等には、炎症性のΩ6脂肪酸が含まれているから、避け
たい。
ナッツや種子類、動物性食品などから、多量のΩ6脂肪酸
が体内に摂り込まれるから避けるように。
※ 驚くことは、牛肉や鶏肉がΩ6脂肪酸の大きな供給源
になっていること。そうなる理由は、農業経営の工業
化とともに、農家が飼料を牧草からトウモロコシや穀
物に切り換えたため、今ではΩ6植物性脂肪が、「動
物性」脂肪のかなりの部分を占めている。
人工の植物油を信用するな!
リノール酸はLDLコレステロールを減らす一方で、
コレステロールの酸化と炎症を発生させやすく、その結果、
動脈へのコレステロール沈着、アテローム性動脈硬化症
の増加を招く可能性がある・・・Ω6PUFA(多価不飽和脂
肪酸)の過剰な摂取は慎重にすべき理由があり、・・・
最大の理由は、それが炎症促進性のあるアラキドン酸を
増やすこと、アラキドン酸がΩ3脂肪酸の拮抗物質として
作用するためである。
※ 精製油が食生活に取り入れられ、野生動物の捕獲や
牧草による家畜飼育から工業的な家畜生産に移行
した結果、食事に含まれるΩ6脂肪酸は急激に増加
し、その一方でΩ3脂肪酸は減少(Ω6:Ω3が、
10-20:1)した。バランス(Ω6:Ω3=1-2:1)が大事
なのだ。前者は体内の炎症に油を注ぎ、後者には
抗炎症作用がある。
何より重要なことは、Ω6は組織内の抗炎症性Ω3
の利用可能性を減らし(炎症を酷くし)て、ALA(植物
由来Ω3)から体内のEPA/DHA(活性型Ω3)への
変換を40%阻害することだ。
遺伝子組み換え食品の疑惑
植物油の多くはGMO(遺伝子組み換え作物)から作られ
ている。大豆油にはΩ6脂肪酸がたっぷり含まれている。
米国の大豆作物の94%は遺伝子組み換えによるものだ。
遺伝子操作を受けた大豆は、グリホサート(商品名はラ
ウンドアップ:雑草を選択的に枯らす)という除草剤に耐
性を持つように作られていることから、ラウンドアップ・
レディ(ready)大豆と呼ばれている。
モンサント社が作る遺伝子組み換えラウンドアップ・レ
ディ大豆は、ホルムアルデヒドを生成し、グルタチオン
(天然の抗酸化剤)を激減させる。これらの影響を齎す
大豆の遺伝子は、ヒトの腸内バクテリアに導入される
可能性がある。つまり、遺伝子組み換えによる食品摂
取をやめた後も、長く、その遺伝子組み換え蛋白を体
内で作り続ける可能性がある。
>その他
有機畜産ではない乳製品を捨てること。
※ ホルモン、抗生物質、炎症性化合物がたっぷり含
まれている
◎ 食べ物の脂質は離脱症状キラーで、血糖バランスを
長期に渡って安定させ、急上昇や変動を抑える。
糖質は渇望と依存を刺激するが、脂質はそれを抑制
するのである。
飽和脂肪酸は誤解されている ― 2021/07/16 08:03
from 『内臓脂肪が落ちる究極の食事』 マーク・ハイマン
.
>従来からの論理
肉やバターは良くないと言い立ててきた最大の理由は、
飽和脂肪酸がコレステロール値を上昇させるという事実
である。
もしも高い血中コレステロールが心臓発作を引き起こし、
飽和脂肪酸がコレステロール値を上げるのなら、食物に
含まれる飽和脂肪酸を減らせば、心臓発作による死亡
を減らせるだろうという論理だった。
>コレステロール代謝
血液の中を漂うコレステロールの大半は肝臓で作られる。
肝臓は糖や炭水化物への反応を引き金に脂質とコレス
テロールを生み出す(脂肪酸合成)。
炭水化物の多い食事はトリグリセリドの生成を増やし、
HDLコレステロールを減らして、小型LDLの数を増加さ
せる。それはまた、コレステロール粒子のサイズも小さ
くする(小型LDL)。
悪いのはこの小型LDLなのだ。この種の脂質状態は
アテローム生成と呼ばれる。言い換えると、それは、
アテローム性動脈硬化を発生する。これがまさしく心臓
病、脳卒中、様々な認知症の根本にある。
脂質を減らすとLDLコレステロールは減るかもしれない
が、コレステロールが低いことは、必ずしも良いコレステ
ロールの状態とは限らない。高脂質食から高炭水化物
食に変えると、軽くて密度の低い無害なLDL粒子が減っ
て、小型で密度の高い危険な粒子が増加する。
一般的なLDL値(mg/dl)は、LDLコレステロールの重さ
にすぎず、心臓病とは全く関係がない。LDL粒子の大き
さと数が問題なのだ。
※ ラボコープ(LabCorp)社のMMR脂質検査
クエスト・ダイアグノティクス(Quest Diagnostics)社
のカーディオIQテスト
※ LDLコレステロール粒子数<1000
小型LDL粒子数<400
>コレステロールはヒーロー
コレステロールは肝臓で生成される脂肪性の物質で、
何千という人体の機能に欠かすことができない。細胞
膜を作って、神経鞘や大部分の脳の表面を覆うのに、
コレステロールを使っている。ホルモン(テストステロン、
エストロゲン、プロゲステロン、コルチゾール)を作る重
要な要素である。
さらに重要なのは、加齢によるコレステロール低下が大
きいほど、死亡リスクが高いことだ。
コレステロールについては、摂取する脂質の種類がその
量より重要だ。
トランス脂肪または水素添加油と精製植物油(Ω6)は
コレステロールの異常を促進するが、Ω3脂肪酸やナッ
ツ、オリーブオイルに含まれる一価不飽和脂肪酸は、
人体内で作られるコレステロールの種類と量を改善す
る。実際に、コレステロール異常の最大の原因は脂質で
はない、それは糖質だ。その最悪の犯人は異性化糖だ。
そういうわけで、懸念すべきなのは、血液中のコレステ
ロールの量ではなく、食事に含まれる脂質と糖質の種
類、さらに精製炭水化物である。
>もう一つの懸念事項は、血液中のコレステロールが酸
敗(酸化)しているかどうかだ。もしそうなら、動脈硬化
プラークのリスクが現実化する。酸化したコレステロール
は、酸化ストレスとフリーラジカルによって生じ、炎症と
脂質の悪循環(動脈壁の内側へのプラーク沈着)を引
き起こす。そして、Ω6脂肪酸を摂取すると、それは不
安定で酸化されやすいため、悪循環の発生が増える
可能性がある。コレステロールは体のバンドエイドのよ
うなもので、炎症部分があるとパッチを貼ろうとする。
これは真の脅威である。小型で高密度の小型LDLが酸
化されると、動脈にプラークつまりコレステロールの堆
積が始まり、有害になるのだ。
適切なタイプの脂質に含まれる食事性コレステロール
は、いくら摂っても構わない。なぜなら、それは血中コレ
ステロールや心臓病のリスクに影響も及ぼさないから
だ。
.
>従来からの論理
肉やバターは良くないと言い立ててきた最大の理由は、
飽和脂肪酸がコレステロール値を上昇させるという事実
である。
もしも高い血中コレステロールが心臓発作を引き起こし、
飽和脂肪酸がコレステロール値を上げるのなら、食物に
含まれる飽和脂肪酸を減らせば、心臓発作による死亡
を減らせるだろうという論理だった。
>コレステロール代謝
血液の中を漂うコレステロールの大半は肝臓で作られる。
肝臓は糖や炭水化物への反応を引き金に脂質とコレス
テロールを生み出す(脂肪酸合成)。
炭水化物の多い食事はトリグリセリドの生成を増やし、
HDLコレステロールを減らして、小型LDLの数を増加さ
せる。それはまた、コレステロール粒子のサイズも小さ
くする(小型LDL)。
悪いのはこの小型LDLなのだ。この種の脂質状態は
アテローム生成と呼ばれる。言い換えると、それは、
アテローム性動脈硬化を発生する。これがまさしく心臓
病、脳卒中、様々な認知症の根本にある。
脂質を減らすとLDLコレステロールは減るかもしれない
が、コレステロールが低いことは、必ずしも良いコレステ
ロールの状態とは限らない。高脂質食から高炭水化物
食に変えると、軽くて密度の低い無害なLDL粒子が減っ
て、小型で密度の高い危険な粒子が増加する。
一般的なLDL値(mg/dl)は、LDLコレステロールの重さ
にすぎず、心臓病とは全く関係がない。LDL粒子の大き
さと数が問題なのだ。
※ ラボコープ(LabCorp)社のMMR脂質検査
クエスト・ダイアグノティクス(Quest Diagnostics)社
のカーディオIQテスト
※ LDLコレステロール粒子数<1000
小型LDL粒子数<400
>コレステロールはヒーロー
コレステロールは肝臓で生成される脂肪性の物質で、
何千という人体の機能に欠かすことができない。細胞
膜を作って、神経鞘や大部分の脳の表面を覆うのに、
コレステロールを使っている。ホルモン(テストステロン、
エストロゲン、プロゲステロン、コルチゾール)を作る重
要な要素である。
さらに重要なのは、加齢によるコレステロール低下が大
きいほど、死亡リスクが高いことだ。
コレステロールについては、摂取する脂質の種類がその
量より重要だ。
トランス脂肪または水素添加油と精製植物油(Ω6)は
コレステロールの異常を促進するが、Ω3脂肪酸やナッ
ツ、オリーブオイルに含まれる一価不飽和脂肪酸は、
人体内で作られるコレステロールの種類と量を改善す
る。実際に、コレステロール異常の最大の原因は脂質で
はない、それは糖質だ。その最悪の犯人は異性化糖だ。
そういうわけで、懸念すべきなのは、血液中のコレステ
ロールの量ではなく、食事に含まれる脂質と糖質の種
類、さらに精製炭水化物である。
>もう一つの懸念事項は、血液中のコレステロールが酸
敗(酸化)しているかどうかだ。もしそうなら、動脈硬化
プラークのリスクが現実化する。酸化したコレステロール
は、酸化ストレスとフリーラジカルによって生じ、炎症と
脂質の悪循環(動脈壁の内側へのプラーク沈着)を引
き起こす。そして、Ω6脂肪酸を摂取すると、それは不
安定で酸化されやすいため、悪循環の発生が増える
可能性がある。コレステロールは体のバンドエイドのよ
うなもので、炎症部分があるとパッチを貼ろうとする。
これは真の脅威である。小型で高密度の小型LDLが酸
化されると、動脈にプラークつまりコレステロールの堆
積が始まり、有害になるのだ。
適切なタイプの脂質に含まれる食事性コレステロール
は、いくら摂っても構わない。なぜなら、それは血中コレ
ステロールや心臓病のリスクに影響も及ぼさないから
だ。
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