『預金封鎖』 > ヘッジファンド・シンドローム2017/09/05 16:08

from ibid.

>ヘッジファンドはすべて高率のレバレッジをかけて(借金漬け)い
 るから、金利が上がると致命的なことになる。また、米国金利が
 上がるということは、米ドルが上がることだから、それは円安でも
 ある。
 HFは通常、ドルで資金を集め、それを海外のよりリターンの良い
通貨に投資しているから、米ドル上昇はHFにとって、為替ロスが
発生することになる。そこで、米金利上昇が見込まれると、すべて
のHFが海外通貨建ての投資対象資産(例えば、日本株)を売り払っ
て現金化を図る。または、ドル建て米国債へと資金を振り向ける。
・・・(日本株は)値下がりが値下がりをよび、日本の株式市場は売
り一色となる。日銀が買い支えに大量の資金を供給しても、却って
円を下落させるだけのこととなる。

>ヘッジファンドへ資金を大量に貸し付けている投資銀行では、有能
 な、つまり利回り成績の良いHFやファンド・マネージャーを見つける と、必要資金を提供し、日常の資金繰りも提供する。その代償として、 運用成績の一部を報酬として受け取る。
 投資銀行はファンドの運用資産が保全されることを求め、カストディ
アン・バンクに運用資産を置くように要求する。・・・また、種々の事務 手続は取引が膨大かつ頻繁なので、投資銀行はそれも肩代わりす る。

>貸付金が危機に瀕したと思われたときには、回収しなければなら
 ない。ここに、根本的な利害対立が発生する。
 さらに、ヘッジファンドが運用成績を上げるには、高率のレバレッ
 ジをかける必要があり、その過程で投資銀行はファンドに資金を
 貸し込んで行く。その額が巨額になればなるほど、回収リスクは
 高まる。一方で、貸付金額が大きくなれば運用成績が上がってこ
 なくなる。

 HFは投資先企業が倒産するリスクをヘッジするため、クレジット・デ
 リバティブを購入する。問題は、このCDが実際に機能するのか?と
 いうことである。 

 世界にはローン負債の山が築かれ、国家は国債の山、投資銀行
 とHF、プライベート・エクイティ・ファンド・・・などの膨大な負債の山
 ・・・膨れ上がった負債は、いずれどこかで精算されることになる。

 その山を支えているのは、その山の下で働く諸国民である。・・・
 ファイナル・クラッシュは一時的な行き詰まりではなく、大破局と
 言い得るものである。旧約聖書では、多すぎるもの、高すぎるも
 の、栄すぎたものは、常に神の手がこれを崩壊 させる物語がい
 くつも書かれている。