ローマ・カトリック教会の説く正当防衛#22022/04/18 15:27


> (承前) 

 また、カトリック教会では、戦争を遂行するに
 あたっては、敵側の非戦闘員、負傷兵、捕虜
 などに対しては「人道的精神」をもって接しな
 ければならないとされている。都市や広い地
 域を無差別に攻撃することは「神と人間に対
 する犯罪」であるという。軍事行動の非人道
 性を抑止すること・・・に努力すべきだとも述べ
 られている。正しい条件のもとであれば武力
 行使は容認されるとしている以上、職業軍人
 として祖国防衛に従事することも十分に認め
 られている。軍務と信仰は必ずしも矛盾しない
 のである。

 「祖国への奉仕に専念して戦線に従事して
  いる者は、自分が諸国民の安全と自由の
  ための奉仕者であると考えるべきである。
  この任務に正しく従事している間、彼らは
  真に平和の確立に寄与している」
    (『現代世界憲章』79項)

>従軍チャプレン

 「軍人の霊魂の世話については、彼らの生活
  条件が特殊であるために、特別な配慮が必
  要とされる。したがって、各国に、力に応じて
  従軍司教代理区を設立しなければならない。
  従軍司教代理も従軍司祭も、ともに教区司教
  と一致協力して、この困難な仕事に熱心に献
  身しなければならない。したがって教区司教
  は、この重大な任務に適した、十分な数の司
  祭を従軍司教代理にゆだね、同時に軍人の
  霊魂の善を向上させるための事業を支援し
  なければならない」 (『教会における司教の
   司牧任務に関する教令』43項)

>良心的兵役拒否

 軍務に就くことや従軍チャプレンの存在が肯定
 されている一方で、良心的兵役拒否も認められ
 ている。

 「良心を理由に兵役を拒否する者については、
  彼が別な方法で人間の共同体に奉仕する用
  意があるかぎり、法をもって人間的な待遇が
  得られるよう定めることは正しいと思われる」
    (『現代世界憲章』79項)

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