少子社会の由来2006/09/03 15:55

先週の日経夕刊「明日への話題」に、山極・京大教授が
標記の題で一文を寄せています。

   人間の祖先は、ある時代に父親や親族が子育てに
  参加し、子どもをたくさん産めるようになった。・・・
   おそらく人間は家族をつくったことで多産になっ
  た。今それが崩壊し、母親が単独で子育てをするよ
  うになったことが少子を招いているのである。・・・

動物学的知見からの視点は、また、考古学的知見にも
合致します。野生動物では、目に見えるか見えないかの
小骨でも、それが損傷すれば食料獲得競争に敗れ、その
結果は死となります。
人間は、骨折部位の自然治癒痕のある自然死骨が見つかっ
ていることから、早い時期から福祉的活動を行っていたと
考えられています。極端な説では、木から落ちて草原に
迷い出たときから家族一緒であったといわれています。

この国では、行政が施策を立てるに際して、根拠のあや
ふやな社会科学を信用しすぎるきらいを感じます。少子化
の問題は特に顕著に現れています。
少子化は現代日本社会を正しく反映した結果だと考えれば、
そして問題が家庭や地域社会の復活にあるとするならば、
時計の針を逆に回し、私の感覚では、昭和40年代前半の生
活(経済)水準に戻せばよいのです。