『読ませる自分史の書き方』(工藤美代子著)2019/05/14 19:17

>どんな人生にも書くべきことがある

~①魂の救済行為

  戦争体験>貴重な体験と秘めたる思い・・・辛い思いや苦しみは
  押し込めておいてはダメ。話したり書いたりすることで、人はその
  思いから解放される。
  親との激しい葛藤で、心中に渦巻く不満が根強く残っている場合
  ・・・罪の意識を抱えて生きている人・・・
  体験を文字にしていくことに自浄作用があり、書くことで救われる
  から。

  自分が書いた文章は、完璧でない。それでも、たとえそれが勘違
  いや偏見の塊であったとしても、絶対に自分自身を裏切りません、
  そこにあるのは自分にとっての真実で、大切に心の奥深くしまい
  込んでいた真実を、少しずつ文章で綴っていく、その過程は、想
  像するよりはるかに楽しく、今まで背負っていた重い荷物をゆっく
  りと降ろしてゆく行為となる。

~書き上がった自分史を最低でも一週間、できれば一ヶ月くらい
  「寝かしておく」と、読み返した時に想像もしていなかったような
  新たな発見(「気付き」)があります。赤裸々に綴った過去から、
  これまではまったく気づかなかった自分の欠点や言い訳や後
  悔が浮かび上がってきます。人間は思いのたけを書くことで、
  自分の知らなかった自分に出会える。ああ、そうか、これでは
  仕事が失敗したのは当たり前だとか、あの人の恨みを買った
  のも無理なかったとかわかるのは、文字を通して初めて自分
  を客観的に眺められるからだ。

~「死」を意識すると、人は書きたくなる

~②記録として(子どもから孫へ、孫からひ孫へ)

~③自己表現の第一歩

>書き上げるための七つのコツ

~①時系列で書く必要はない

  思いついたところから記す・・・書きやすいところから先ずは飛
  び込む。構成や章立ては後回し、細切れ可、先ずは頭に閃い
  たことを書き留める作業から始める。
  書いたものは一まとまりごとに内容がよくわかるタイトルをつ
  けて保存する。「自分史」フォルダを作れば便利。・・・記憶の
  断片を糸口に・・・記憶が蘇り、芋づる式に古い思い出がたぐ
  り寄せられ、チョイチョイとファイルを書き足して行く。

~②柱を立てる

  趣味、仕事、家族、人生で大切にしていること、興味の対象
  ・・・なんでも構わず、ある程度まとまったことが書けそうな項
  目を柱として立ててみる。そして、その柱を念頭に編み込むよ
  うに書き綴る。

~③初めての体験を項目に

  いいことも悪いことも含めて、忘れ難い初体験について、まず
  は項目だけ書き出してみる。初めて自転車に乗れた時、初め
  てメロンを食べた時、初めてのデート等々。

~④書きたくないことはすっ飛ばす

  書きたくないことを書いてしまえば、魂の救済になり心が解放
  されるのかもしれない。でも、それ以前にその時の自分に向き
  合うのが絶対にイヤ、思い出したくもない。・・・自分史は書き
  上げてナンボのもの・・・書きたくないことには無理をせず、すっ
  ぱり忘れてしまいましょう。とにかく書き切ることです。

~⑤「私が主人公」の小説スタイルで

  書きたい気持ちがあるけれども、様々なしがらみがそれを許
  さない、というケースでおすすめなのが小説の形で書くこと。
  
~⑥途中で他人に見せない話さない

~⑦中途半端に終わらせる

  どんどん書き続けるためのテクニックとして、「あえて中途半
  端なところで書きやめる」のです。頑張って予定通りに書き
  上げでしまうと、次の章になかなか手がつけられないことが
  多いから。自分史というものは、立ち止まってしまったら、そ
  の瞬間に終わりです。一度立ち止まると、書くのが億劫にな
  り、そのまま数ヶ月経ち、一年、三年と経ち、結局やめてしま
  う。それを避けるために、切のいいところでやめずに、中途
  半端に終わらせるのです。

※ ブログ;フェイスブックなどに行動の記録を綴ったりするのは
   記録そのものが自分史を書く時に役立つ。ただ、感情はそ
   のたびに垂れ流すよりも溜め込んで煮詰めてから表出した
   ほうが、表現としては磨かれます。

>とにかく毎日書き続ける!