ミトコンドリア(覚)#7 ― 2022/02/21 08:05
from 『LifeSpan』(デビッド・A・シンクレア、他)
『長生きしたければミトコンドリアの声を聞け』(大谷肇)
>空腹時血糖はあてにならない
健康診断は、一般的に朝食を抜いた状態で採血するので、
空腹時血糖のみが反映される。
※ 正常<110mg/dl~糖尿病予備軍~126mg/dl<糖尿病
加えて、
HbA1c(約一ヶ月の血糖値の平均を反映)>6.5⇒糖尿病判定
ところが、メタボリック・シンドロームでは、両者が正常範囲内
でありながら、実は糖尿病である「隠れ糖尿病」が非常に多い。
食後血糖>200mg/dlであれば立派な糖尿病であるにもかか
わらず、空腹時血糖が正常なので、通常の検診では見つか
らない。
隠れ糖尿病はブドウ糖負荷試験で診断する。メタボリック・シン
ドロームでは、インスリン抵抗性により食後血糖値が異常に
上昇し、隠れ糖尿病になりやすい。
隠れ糖尿病の特徴は、心臓大血管の病気(心筋梗塞、脳卒
中、大動脈瘤etc.)に罹りやすいことで、この原因には「グル
コース・スパイク」がある。グルコース・スパイクで比較的太い
血管の内皮細胞が酸化ストレスによりアポトーシスやネク
ローシスに陥ると、動脈硬化が起こりやすい。
>隠れ糖尿病を放置しておくと、糖毒性により、微小血管の
内皮細胞に障害(糖尿病性腎症、網膜症、神経障害)が
起きてくる。
糖尿病性腎症では、糸球体が傷つき、アルブミンなどの
蛋白質が尿中に漏れ出して、ネフローゼ症候群となる。
さらに進行すれば、腎不全から人工透析に至る。
メタボリック・シンドロームと診断されれば、検診結果だけ
に満足せず、隠れ糖尿病の有無をチェックし、この段階で
進行を食い止めることが大切なこと。
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